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旅・風景

楽園に残る馬との暮らし 南太平洋マルケサス諸島

日経ナショナル ジオグラフィック社

2019/2/20

ウア・フカ島では、住民の数より野生の馬の数の方が多い。後ろ脚で立った馬のタトゥーを背中に入れているボヒは、こうした馬を捕らえて手なずけ、訓練するのに特にたけている。ウア・フカ島に暮らすボヒは近くのゲストハウス「マナ・トゥプナ・ビレッジ」で働いたり、仏領ポリネシアの主な輸出品であるココナッツオイルの原料、コプラ(乾燥させたココナッツ)を作ったりしながら、空いた時間に厩舎の手入れをする。旅行者を馬に乗せ、乾燥した高地でのトレッキングに連れて行くこともある。

マルケサスのカウボーイたちがやってきて、野生の馬が逃げる(PHOTOGRAPH BY JULIEN GIRARDOT)

ビバ・オア島で牧場を経営するパコと、ジェレミがホーストレッキングで見せてくれるのは、自分たちが島の何を知り、何を愛しているかだ。プルメリアやタヒチの国花ティアレの香りが漂う緑豊かな眺め、「ティキ」と呼ばれる太古の石像があり、マナ(霊的な力)に満ちあふるメアエ・リポナの聖地、そして尾根の頂から見る大海原。未知の地平線へと恐れずに馬を駆って挑む彼らの姿は、まさにマルケサス最後の馬乗りのようだった。

ヒバ・オア島の緑豊かな大地を馬で駆けるジェレミ(PHOTOGRAPH BY JULIEN GIRARDOT)
ウア・フカ島のボヒは馬の信頼を得るため、我慢強く接する。人と馬が呼吸を合わせられるようになるには、一つ一つ段階を踏んだ訓練のプロセスが欠かせない。ボヒはいつもマルケサス語で馬に話しかけ、いななきを真似た声で馬を呼ぶ(PHOTOGRAPH BY JULIEN GIRARDOT)

次ページでは、マルケサス諸島の人々の生活の一部となっている馬との日常を9点の写真で紹介しよう。

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