投信、18年に損失7兆円 過大なリスク浮き彫りにQUICK資産運用研究所 北澤千秋

写真はイメージ=123RF
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個人投資家は投資信託の保有・売買によって2018年にどんな運用成果を上げたのか。データが取れる11年以後の損益状況を検証したところ、18年は過去8年間で最大の損失を被っていたことが明らかになった。世界的な資産価格の下落が大きな理由だが、保有している投信をみると、投資家が過大なリスクを負っているという側面も浮かび上がってくる。個人の投信の選び方、買い方には改善の余地がありそうだ。

シニア層には大きな痛み

グラフAは、投資信託協会のデータを基に推計した追加型株式投信全体(上場投資信託=ETF=を除く)の年間の損益状況だ。18年の場合、投資家が投信に投じた資金は合計89.8兆円(17年末の残高66.6兆円に期間内に追加購入した23.2兆円を加算)。これに対して、手元に残った資金は合計82.8兆円(18年末の残高60兆円に期間中の解約・償還・分配金の計22.8兆円を加算)。この差額のマイナス7兆円が個人投資家の1年間の投資結果といえる。

損失額は同じデータが取れる過去8年間では最大で、チャイナ・ショックに市場が揺れた15年の倍以上に達した。投入資金に対する損失率はマイナス7.8%だ。

この数字をどう解釈するか。日経平均株価の18年の年間下落率は12%で、米S&P500種株価指数の下落率は6%、ドル円相場は年間で3%弱の円高ドル安だった。ちなみに18年10~12月期に14兆8000億円の運用損を出して話題になった年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用資産額は、18年に年間で約7%減少した。

18年の市場環境が悪かったのは事実だし、プロが運用するGPIF並みの結果なら仕方がないという見方もあるだろう。しかし、ここで考慮しなければならないのは投信保有者の年齢だ。

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