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オパールに閉じ込められた虫の化石 常識覆す発見

日経ナショナル ジオグラフィック社

2019/2/16

ナショナルジオグラフィック日本版

インドネシアのジャワ島で見つかった珍しい化石。オパール片の中に、はるか昔の昆虫が閉じこめられているように見える(PHOTOGRAPH BY BRIAN BERGER)

インドネシアのジャワ島産のオパールの中から、驚くべきものが見つかった。少なくとも400万~700万年は経っていると思われる昆虫で、保存状態がすばらしい。

これまでにも、樹脂が化石化した宝石である琥珀(こはく)の中からは、古代の虫がたくさん見つかっている。固まる前の樹脂に動物が急に閉じこめられると、死骸がとてもよい状態で保存されることがある。

一方、天然のオパールは、シリカ(二酸化ケイ素)を含む水が地中の隙間を満たす状況の下で、数千年からときに数百万年かけて形成されるのが普通だ。そのため、なぜこのような形で昆虫が入り込むことになったのかは、大きな謎だ。

「到底ありえないものです。でも、自然界における貴重な発見の多くは、発見されるまで『存在するわけがない』『理論的にありえない』と、考えられていたものなのです」。オーストラリア、ニューサウスウェールズ州ライトニングリッジにあるオーストラリア・オパール・センターのジェニ・ブラモール氏は、そうコメントしている。同氏はオパールやオパール化した化石の専門家だ。

目下のところ、この標本は個人の所有物であるため、古生物学や地球化学の専門家による詳しい調査は行われていない。しかし、本物と確認されれば、今回の発見は、貴重な化石が閉じこめられた場所としては、今までにない例となるだけでなく、オパールという人気の宝石についての常識を変えるものになるかもしれない。

ブラモール氏がこの標本について知ったのは、2017年のことだ。オパールに閉じこめられた別の虫とおぼしき画像も見たことがある。ジャワ島の同じ鉱山から見つかったものだが、見たのは写真だけで、科学的な調査結果も発表されていないため、詳しい見解を述べるのは難しいとしている。

「今までの常識では非常に考えにくいということを除けば、本物であることを疑う理由は何もありません。しかし、科学的な調査結果が出るのを待つ必要があるでしょう。本物であることを期待しています。もし本物なら、オパールの形成についてとてもおもしろいことが明らかになると思うからです」

■宝石学会は本物の天然オパールと鑑定

ジャワ島のオパール商人がこの奇妙な標本を見つけたのは2015年だった。その後、何人かを経て、米ペンシルベニア州フィラデルフィアの宝石鑑別士兼ディーラーであるブライアン・T・バーガー氏が購入した。バーガー氏自身も、最初はこの標本が本物であるか疑問だったので、米国宝石学会(GIA)で分析してもらった。同学会の専門家は、ナショナル ジオグラフィックに対しても、この標本が改変されていない本物の天然オパールだと答えている。

「偽物に違いないと考えていました」とバーガー氏は言う。「新手の技法でも使ったのだろうと思いました。しかし、調査してもおかしなところは見当たりません。GIAもそれを認めました」。その後、バーガー氏は、「Entomology Today」(今日の昆虫学)というブログにこの標本のことを投稿している。

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