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理工系学生がESで失敗する理由~ヒントは設問にあり

ホンネの就活ツッコミ論(84)

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NIKKEI STYLE

今回のテーマは「理工系学生のエントリーシート(ES)」です。以前書いたエントリーシートのコラムについて、芝浦工業大学キャリアサポート課のTwitterアカウントでご評価いただきました。まあ、ご評価いただいている反面、講演などをご存知なかったのが悲しかったですが。

ご評価いただいた芝浦工業大学が理工系、ということで思い出したのが理工系学生のエントリーシートです。本来ならアピールできるポイントがあるのに、うまく書けず失敗してしまう学生がいます。理工系学生の場合、その理由は理工系という点にありました。では、理工系学生のエントリーシートで失敗しやすいパターン、そしてその理由とはいったい何なんでしょうか。今回は3点、まとめてみました。

その1:文系出身者の話を真に受けすぎ

私は東洋大学社会学部出身です。社会学部は、いわゆる文系学部ですね。就活関連の記事や本を書いている記者やライター、カウンセラーなどは大半が文系学部出身です。私は自身の出身大学・学部について誇りを持っていますし、卒業して良かったと思っています。これは他の記者・ライター、カウンセラーも同じでしょう。

それはいいのですが、問題は文系出身者という点です。理工系学生が読む就活の記事や本であっても、書き手は文系出身者。ということはよほど理工系学生や大学を取材していない限り、理工系学生が知りたいはずのポイントを大きく外している、ということが起こり得ます。

それでいて、ポイントを大きく外していることについて、理工系の学生、あるいは、キャリア担当の教職員ですら気づいていません。その結果、知らず知らずのうちに理工系学生はポイントを外していた、ということが文系学生と違い、起こってしまうのです。

そのため、理工系学生が就活関連の記事や本を読むときは、理工系学生向けかどうか、あるいは、書き手が理工系学生・大学を理解しているかどうか、見ていく必要があります。そのうえでエントリーシートを書いていく方がいいでしょう。

その2:研究を書きすぎるか、軽視か、極端すぎ

理工系学生のエントリーシートの落とし穴、一番大きなところがこちら。研究についてです。

まず、理工系学生の大半は、「学生時代に頑張ったこと」の項目で研究の話を書いていきます。が、大半の学生はボロボロになってしまいます。理由は簡単で、研究の話のみで学生個人の話が見えてこないからです。例えば、理学部の学生が「タンパク質の合成」について書いた、としましょう。「タンパク質の合成」がダメ、というわけでなく、「内燃機関の研究」でも「電子システムの発展」でも何でも同じです。で、研究をしています、というのをネタにする際、その研究内容を細かくかいていくのが理工系学生の特徴です。

ところが、研究内容を細かく書いていったところで、それはあくまでも研究内容の紹介にすぎません。エントリーシートを読む採用担当者からすれば「学生時代に頑張ったこと」というテーマからは大きく外れているのです。その結果、研究内容を書いていった理工系学生は書類選考で軒並み落ちていきます。特に文系学部と競合する総合職の書類選考であれば相当厳しいと言っていいでしょう。

ここで、選考落ちした学生の大半は、「文系と競合するなら研究の話は受けないのだな」と方向転換。しかも、就活ノウハウを書いた記事や本は、「その1」で書いたように文系出身者が圧倒的多数を占めています。その情報を真に受けすぎて、学生が書くのがアルバイトやサークル活動についてです。

ところが、理工系学生は文系学生に比べれば、アルバイト・サークルについてそこまでアピールできる内容がありません。そのため、こちらはこちらで空回りしてしまい、結果、就活がうまく行かない、というパターンにはまってしまうのです。

では、理工系学生はエントリーシートで何を書けばよかったのでしょうか。一番いいのは、研究についてです。ここで理工系学生からは「いや、研究について書いたら落ちたのに」と思うかもしれません。いや、そこが落とし穴。研究について書くにしても、研究内容の詳細は「学生時代に頑張ったこと」ではあまり関係ありません。特に文系学生と競合する総合職採用の場合、特に効果は低いと言えます。

では、研究の何を書くのか、と言えば、人間関係ですとか、文献調査でこんなところが苦労した、とか、学生個人の話。ウエットな話、とでも言えばいいでしょうか。そうした話を書いていけば、研究とは無関係の総合職採用においても、採用担当者の心に響きます。

では、なぜ、理工系学生は研究内容を細かく書いてしまうのでしょうか。実は、これも理工系学生ならではの事情が背景にあります。理工系学生は技術職・研究職を選択するか、あるいは総合職を選択します。技術職・研究職は学生の専攻・研究内容によって、採用応募が制限されます。それもあってか、エントリーシートには「学生時代にどんな研究をしてきたのか、細かく書きなさい」という項目がよく設けられます。ここで研究内容について細かく書いていくのは当然です。

この「どんな研究をしてきたのか」と「学生時代に頑張ったこと」を同一視してしまうことから悲劇が始まるのです。理工系学生からすれば同じ話であっても、採用担当者はそうではありません。そのため、研究内容を細かく書くか、あるいは人間関係などウエットな話を書いていくか、そこは設問によって変えていくと選考結果は大きく変わるでしょう。

その3:数字にこだわりすぎ

理工系学生は数字にこだわる方が多数います。理工系的な発想、とでも言えばいいのでしょうか。それはそれで総合職においても評価される点なので全く問題はありません。

ただし、数字にこだわりすぎる点をエントリーシートでも出して行くと、なかなか読みづらいエントリーシートになってしまいます。たとえば「大学祭実行委員会で××企画を担当した。~ということをやって~その結果、集客は前年に比べて150%増加した」という書き方をしたとしましょう。

学生本人は「150%」の意味が分かっています。学生の友人や同級生、あるいは大学教職員もこの「150%」についてわかるかもしれません。ところが。学外の採用担当者はどうでしょうか。全く理解できない方が大半でしょう。そうなると、せっかく意味ある数字と思って出した「150%」は読み手からすれば、全く意味のない、ゴミ情報でしかないのです。

これも「その2」と重複しますが、エントリーシートでは読み手が理解できる、普遍性ある数字でない限りは下手に出すべきではありません。数字を出すくらいであれば、学生個人の苦労した話などを書いていく方がよっぽど効果的です。

以上3点にこだわっていくと、理工系学生のエントリーシートは劇的に変わります。という話を理工系学生とよく接する文系出身の石渡嶺司がまとめましたのでご参考までに。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
 1975年札幌市生まれ。東洋大学社会学部卒。2003年から大学ジャーナリストとして活動開始。当初は大学・教育関連の書籍・記事だけだったが、出入りしていた週刊誌編集部から「就活もやれ」と言われて、それが10年以上続くのだから人生わからない。著書に『キレイゴトぬきの就活論』(新潮新書)、『女子学生はなぜ就活で騙されるのか』(朝日新書)など多数。

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