U22

就活

BtoB企業はなぜ学生から敬遠されるのか? ホンネの就活ツッコミ論(83)

石渡嶺司 大学ジャーナリスト

2018/11/2

今回のテーマは「BtoB企業の採用」です。学生は何となくBtoB企業が優良、ということはわかっています。ところが、いざ就活が始まるとごく一部(それも知名度の高い企業)にしか学生は集まりません。では、なぜBtoB企業は採用がうまく行かないのでしょうか。理由は5点あります。

理由1:自社の良さ・業界の展望をきちんと伝えられていない

BtoB企業は消費者(学生含む)との接点がほぼない(もしくは、全くない)特徴があります。そのため、自社の良さや業界の展望なども含めて丁寧に伝える必要があります。学生はその大半が大手企業を志望します。実は学生が言うところの大手企業とは「知名度が高いBtoC企業(とごくごく少数のBtoB企業)」を意味します。

この原稿を書く直前、法政大生から就活相談を受けていましたが、村田製作所・信越化学工業のことを知りませんでした。別の学生(確か関西の学生だったと思いますが)は、富士電機や明電舎など重電業界の話をしたところ、「石渡さんはそういう中小企業を勧めたいのでしょうけど、僕は大手企業に行きたいのです」と非難されてしまいました。重電大手8社に入る富士電機と明電舎がこの学生からすれば中小企業というカテゴリーに入ってしまうのです。

かくのごとく、BtoB企業はその業界内では大手であっても学生には知られていません。そこで学生に自社の良さなどを伝える工夫が必要です。ところが多くのBtoB企業は技術力の高さをアピールするだけで業界全体の展望や労働条件の良さなども合わせて話せていないのです。技術力の高さは理工系学部出身の技術職・研究職採用では有効でしょう。が、文系出身の総合職採用ではその良さが理解されないのです。このアピールポイントの違いを理解していない採用用担当者は多いのではないでしょうか。

理由2:研究室推薦で十分という古いモデルを過信している

BtoB企業のうち、技術職・研究職重視のメーカーにありがちな話。理工系学部だと、就活では学生の自由応募以外に研究室の教授推薦というものがあります。この教授推薦のために企業は大学のキャリアセンターではなく、各研究室の担当教員と接点を持とうとします。理工系で自由応募が盛んでなかった時代にはこの教授推薦で就活はほぼ決まっていました。

しかし、近年では学部卒・院出身ともに教授推薦だけでなく自由応募もその比重が高まっています。ところがBtoB企業は、教授推薦という古い採用システムを攻略しさえすればよい、と思い込むところもあるようです。この手法は昔に比べると機能しない、という大学(または企業)が増えつつあります。まして、文系出身学生からすれば無関係。結果、その企業が敬遠されることになってしまいます。

U22 新着記事

ALL CHANNEL