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就活に有利なアルバイトって?

ホンネの就活ツッコミ論(82)

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大学ジャーナリストの石渡です。今回のテーマは学生のアルバイトです。学生を取材していると、よく聞かれるのが「就活に有利なアルバイトは何か?」というものです。逆に、「私の○○というアルバイトは就活でアピールできますか?」とも聞かれます。では、どのアルバイトが就活で有利になるのでしょうか?

学生がアピールしたいのはアルバイト

リクルートキャリア・就職みらい研究所の「就職白書2018 採用活動・就職活動編」によると、学生が面接等でアピールしたい項目(回答1825人・複数回答)の1位はアルバイトで44.4%でした。参考までに2位は人柄(36.0%)、3位は所属クラブ・サークル(32.6%)でした。

学生の大学4年間と言えば勉強以外だとアルバイトかサークル・部活動が大きな比重を占めています。学生によっては留学やボランティアなどもあるかもしれませんが、それは少数派。

学生生活の中では勉強だと役立つかどうかも不明なのにアピールできるかよくわからない(特に文系)、サークルは身内で遊んでいただけだし...となると、アルバイトをアピールポイントに選びたくなるのは自然でしょう。

では、この学生の想いが採用担当者に伝わるか、と言えばそんなことはありません。同じ「就職白書2018 採用活動・就職活動編」では、企業が採用基準で重視する項目(回答1176人・複数回答)も調査しています。それによると、アルバイト経験は7位・21.1%と上位には入っていません。ベスト3は1位が人柄(92.1%)、2位が「自社への熱意」(77.6%)、3位が「今後の可能性」(65.6%)でした。

付言すると学生側の調査では「その企業への熱意」は8位(19.1%)、「今後の可能性」は11位(11.5%)と下位。このように企業側と学生側の意識は大きなズレが生じているのです。

「アルバイトネタは聞き飽きた」が学生を不安に

このズレをさらに補強しているのが採用担当者の「アルバイトネタは聞き飽きた」論です。いわく、「飲食に販売、家庭教師・塾講師とか、同じ話ばかり」「採用シーズンになると、めぼしい飲食チェーンが全部そろう」「昨日はマクドナルドが3人続いてつらかった」などなど。

採用担当者を招いての就職ガイダンスでこれを聞かされた学生は大恐慌に陥ります。それはそうでしょう、学生のアルバイトの定番と言えば、飲食、販売か家庭教師・塾講師が定番です。そんな珍しい話などできるわけがありません。この話が後輩学生に伝わると、「就活で有利なアルバイトは?」となっていくのです。

過去に有利とされたのはユニクロ、スタバ、ディズニーランド

過去に就活で有利なアルバイトとされたのは、ユニクロ、スターバックスコーヒー、それからディズニーランドです。ユニクロとスターバックスコーヒーは全国区のチェーンで社員並みのサービスを提供することがアルバイトにも求められます。

ユニクロは「全員経営」という理念があり、これはアルバイトにも適用されます。店舗の売り上げなど経営情報はアルバイトにも公開され、経営について考えることになります。スターバックスでは研修時間が80時間と長いこと、さらに自発的に接客を考えることが求められる、という点も大きいでしょう。全国区ではないですが、ディズニーランドは、アミューズメントパークの最大手であり、こちらも高い接客能力が問われます。

いずれもアルバイトとなった学生は社会経験を積んでいくことで成長することができます。そうした点が評価されて就活にも好影響だった、ということは考えられます。それが「就活に有利なアルバイト」との評判につながっていったのでしょう。

ただし。ユニクロ、スタバ、ディズニーランド、いずれも学生のアルバイトが少数、ということはありません。全国区で考えれば相当な人数になります。大手企業であれば、間違いなくユニクロ、スタバ、ディズニーランドのアルバイトをした、という学生は相当いるに違いありません。実際、私はユニクロ、スタバ、ディズニーランドのアルバイトで内定を得た、という学生も、失敗したという学生も、それぞれ知っています。

アピールの仕方もあるのですが、失敗した学生は、他のアルバイトネタで失敗した学生と共通しています。つまり、他人任せなのです。「成長できると思ってアルバイトを始めた」「自分で何か動いたわけではない」「店長や他のアルバイトに影響を受けた(だけ)」など、他人任せで自分から動いた、とは思えない書き方だと、明らかにマイナスです。もちろん、エントリーシートのマニュアル本などを買って真似て「自分から動きました」と書いてもダメ。書類選考は通過できても面接で間違いなくバレてしまいます。

アルバイトネタで内定を得た学生は、アルバイトが何であれ、自分で動いた経験があります。それが成功であれ失敗であれ、学生を成長させています。先にご紹介した「就職白書2018」の企業側の重視項目は「人柄」「熱意」「今後の可能性」でした。自分で動いた経験があれば、それは企業側の重視項目につながります。企業はアルバイトそのものを重視していなくても「人柄」「熱意」「今後の可能性」は重視しています。そのうえで企業と学生がマッチングできていれば内定を出そう、となるのです。

そのため、スタバなら有利でマクドナルドなら不利とか、コンビニはありきたり、というのは俗説にすぎません。どんなアルバイトであれ、学生は自ら動き、成長しようと努力したかどうか。そこが問われています。もし、コンビニや飲食、販売、家庭教師など他の学生がやっていそうなアルバイトであっても、そこを不安がる必要は全くありません。それから、1.2年生であれば、就活に有利そうなアルバイトに変える必要もないでしょう。

実は採用担当者で評価急上昇のテレアポ

とは言え、それでも企業が評価するアルバイトは何か、気になる方もいるでしょう。元はそこまで評価が高くなかったのですが、2010年代半ばから急上昇しているアルバイトがあります。それはテレアポです。コールセンターなどで電話対応をするアルバイトですが、なぜ、評価が高くなっているのでしょうか。理由は業務内容、つまり、電話という点にあります。

総合職であれ一般職・販売職であれ、業界なども無関係に、社会人になれば、電話対応が重要になってきます。たかだか電話なのですが、たとえば、顧客に対して要件が終わった後、すぐ切るのか(ガチャ切りと言います)、相手が切るまで一呼吸置いてから切るのか、それだけでも印象は大きく変わります。

携帯電話が普及する前、1990年代までは学生は電話対応のスキルはある程度、持ち合わせていました。ところが、携帯電話が普及、さらに友人同士の連絡も直接通話よりSNSが中心となっていった2010年代に入るとどうなったでしょうか。学生の電話対応スキルは大きく落ちてしまいました。知らない番号からの電話には出たくない、という学生も増えています。せっかく内定を得て社会人になっても、新入社員研修で管理職の想像以上に電話対応で消耗してしまう、というのもどの企業でも増加しています。

その点、テレアポのアルバイトを経験している学生は電話対応スキルが他の学生よりも、はるかに上です。そこで企業からすれば評価を上げている、という次第。どうしても就活に有利なアルバイトをしたい、ということであればテレアポのアルバイトをやってみるといいかもしれません。

もっとも、ありきたり、とされる飲食、販売、流通、家庭教師・塾教師など他のアルバイトだって学生を成長させます。また、学生も自ら動いていけばさらに成長できます。ということを考えれば、無理にテレアポのアルバイトをしなくても、とは思うのですが。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
 1975年札幌市生まれ。東洋大学社会学部卒。2003年から大学ジャーナリストとして活動開始。当初は大学・教育関連の書籍・記事だけだったが、出入りしていた週刊誌編集部から「就活もやれ」と言われて、それが10年以上続くのだから人生わからない。著書に『キレイゴトぬきの就活論』(新潮新書)、『女子学生はなぜ就活で騙されるのか』(朝日新書)など多数。

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