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イベント舞台は隅田川の水辺 ~虹色のうちわ、新旧住民つなぐ

地域をもっとワクワクに(2)

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NIKKEI STYLE

みなさんこんにちは!明治大学政治経済学部木寺ゼミナールの林田です!前回の記事でも触れましたが、木寺ゼミは、墨田区と深い関わりを持っています。墨田区で地域課題解決に向けたイベントを開催したり、区役所の方とタッグを組み、墨田区の魅力をWebで発信したりしています。今回は数ある木寺ゼミと墨田区とのつながりの中から、自分がプロジェクトリーダーを務めたイベントを軸にお話しを進めていこうと思います。

東京・両国で進む地域間交流の希薄化

このイベントの舞台は両国。2018年のワイドショーを賑わせたホットな場所の一つ、国技館がある、あの両国です。イベント開催にあたり、両国の課題を見つける作業からスタートしました。両国で課題といえば、皆さんどんなことを想像するでしょうか?暴力問題に揺れる角界でしょうか?(笑)

実際に両国に足を運び、地域住民の声を聞いてみるとそんな声は聞かれませんでした。聞かれたのは、マンション建設などで新規住民が多く住むようになり、両国という下町に昔から住んでいる人との「地域間の交流が希薄になってきている」という他の地域にも多く見られるような課題ばかりでした。

ところで、皆さん隅田川テラスというものをご存知でしょうか? 隅田川テラスとは、花火大会で有名な隅田川の岸辺にある綺麗に舗装されたテラスのことです。このテラスは自転車を走行することが禁じられており、都心部ではなかなか見ることができない、ビルに邪魔されない広大な青空の下、散歩やジョギングを楽しむ人がいたり、テラスに設置された花壇は地元住民により整備・管理され、テラスは地域交流の場としての側面を持っています。

防潮堤で街と分断された川を交流の場に

先ほど話題に挙がった国技館からも歩いて1分程度、距離にして約100メートル西に隅田川が流れています。しかし、国技館から隅田川テラスを眺めることはできません。それは防災上の理由で設置された防潮堤が壁となり、街と川を分断してしまっているためです。視覚的な分断により、街の人の意識からいつしか川が薄れていってしまい、人の流れも分断されるようになってしまいました。

地域間交流の希薄化という課題を、地域交流の場としての側面を持っている隅田川テラスで解決しよう。そのために街の人に防潮堤を超えて川に、テラスに来てもらおう。ということでイベントの大枠が決まっていきました。

木寺ゼミには「グループワーク」と「いいね!の精神」という特徴があります。グループワークは付箋に意見を書いていき、それを模造紙の上に並べます。模造紙の上に置かれた付箋を様々な枠組みでグループ化し、話し合いながら結論を出すといういわゆるブレインストーミングのような手法です。

いいね!の精神とは、メンバーから出てくるアイデアや意見に対して否定しない、まずは「いいね!」と肯定する精神です。どんなアイデアにもいい部分があり、そのいい部分と他の人のアイデアのいい部分を掛け合わせて新たなアイデアを生み出そうという精神です。この「グループワーク」と「いいね!の精神」をもとに隅田川テラスで何をするか、皆で意見を出し合いました。

また、イベントの内容を決めていく際に、隅田川を管理する東京都第五建設局の方、都の外郭団体である東京都公園協会の方、地元町会の方など多くの関係者との話し合いを重ねました。 その中でも町会さんとの話し合いが重要でした。というのも、このイベントは地域の人にとっては失礼な話になるという側面を持っています。自分が愛着を持って住んでいる土地に、いきなりよそ者に「ここが課題です」みたいなことを言われて、解決するようなイベントを行うので協力してください!来てください!と言っても地域住民の方に参加して頂けるでしょうか? 地域の方が関わり、有意義なイベントを開催するために、まずは地域の方と信頼関係を築くことから始めました。

そこで町会長さんとの会合に参加させて頂きました。イベントの内容を詰めることが目的でしたが、序盤の話し合いは低調に進んでしまいました。地域の課題について意見を出し合い、地域のために自分たちに何ができるか話し合うために、町会長さんから両国の歴史や今について思っていることを伺いました。自分たちが用意していたベンチ作成や映画祭、紙相撲などのイベント案に対し意見交換をし、ターゲットや効果など様々な観点から検討しました。

フィールドワークで得た情報に町会の方の想いを合わせ、共に考えることで、地元の方の理解を得ることができました。 多くの方との話し合いを経て、隅田川テラスで行われるお祭りに参加し、テラスで新規住民と昔からいる住民との交流ができるようなイベントを開催する事となりました。

世界で一つだけのうちわづくり・クイズラリー...

具体的にはマーブリングという技法を用いてうちわを作成し、そのうちわを利用してクイズラリーを行うというものです。マーブリングとは複数の色の絵の具を混ぜて不思議な模様を作る技法のことで、同じパターンの絵の具を用意しても同じ模様が現れることはなく、世界に一つだけの模様のうちわを作ることができます。ただ祭りがあるから川に来るだけでなく、祭りでの楽しい記憶が残るオリジナルなうちわを持って、水辺に訪れてうちわを扇いで涼む。いわば「川涼み」をするという昔からある川と人の付き合いをしてもらえるように企画しました。

また、クイズラリーではお題を両国に関する話題にし、新規住民に両国のことを知ってもらう狙いと、クイズラリーの景品を地元町会さんに協力していただき、町会さんが出店しているブースから出してもらうことで、景品交換の際に新規住民と元から住んでいる住民の交流のきっかけを生み出すという狙いをもって企画しました。

イベントは4時間ほどで100人を超える地域住民、特に子供たちに参加してもらえました。思い思いの模様を描き、クイズに対して真剣に考え、景品交換の際に町会の方と談笑している参加者のみなさんの姿を見ると、規模は小さいながらも地域に対して貢献することができたのかなと感じました。

木寺ゼミでは他にもイベントを墨田区で行っています。「『政治』とは誰かを幸せにすること」と前回の記事で紹介されましたが、このイベントもまた、両国に課題を感じていた人を幸せにする一助になったとすれば、それは自分にとっても幸せなことだと感じます。

ニュースでよく見る「政治」はもっと規模の大きい「国」が単位になっていることが多いです。国民の誰かが課題に感じていることを解決に導く。イベントではなく制度や法という形でのアプローチになりますが、根幹は同じなのかと思います。「誰のどのような課題に対してどう解決に導くのか」。ニュースなどで報じられる政治のあれこれに対して、このような視点で見てみるのも面白いかもしれません。

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