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実体経済超え膨らむマネー 市場のリスク(平山賢一) 東京海上アセットマネジメント執行役員運用本部長

2019/2/19

写真はイメージ=123RF
「モノをはるかに上回るカネが世界中を駆け巡っている」

グローバルなモノの流れに目詰まりが生じ始めています。すでに勃発した米中間の貿易戦争の影響だけではありません。今後、英国が欧州連合(EU)から円滑に離脱できなければ影響がさらに大きくなる可能性があります。今回は世界中を駆け巡るモノとカネの流れについて整理し、先行きの金融市場について考えてみます。

本来、世界の貿易が活発になれば買い手はモノをより安い価格で購入できる機会が増えます。一方、売り手はモノをより高い価格で販売できるチャンスが広がります。

自由貿易は双方にとってメリットがあり、世界経済の発展につながるため、モノがグローバルに循環するような仕組みづくりが推し進められてきました。世界貿易機関(WTO)や環太平洋経済連携協定(TPP)はその大掛かりな仕組みであったわけです。

■国際関係の悪化で貿易が滞ると経済にマイナス

反対に国際関係の悪化により貿易が滞るようになると、より安価での購入やより高値での売却のチャンスが減るため、経済成長にとってはマイナスの影響をもたらす場合が多いといえます。

歴史的には1929年の株価大暴落に端を発した世界恐慌で自由貿易が後退し、保護貿易が加速したことが思い起こされます。世界がいくつかのブロックに分断され、経済利害が政治対立と絡み合いながら国際関係が悪化した30年代はやがて第2次世界大戦へと至りました。

世界中をモノやサービスが行き交うことで、互いの国や地域が融合していく相互依存の世界では政治的な融和も進む傾向が確認されるだけに、世界貿易の停滞や保護貿易の台頭は国際関係悪化のメルクマール(指標)といっても過言ではないでしょう。

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