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ヒットを狙え

味噌メーカーの挑戦 ハート形レモン付き紅茶がヒット

日経クロストレンド

2019/2/28

光浦社長が商品のパッケージデザインを手掛けている。左から「ひよこ豆とごまのドレッシング」、白だし「まほうだし」、めんつゆ「まほうつゆ」、「光うらの麦みそ」、「瀬戸内芳麦みそ」、「ひよこ豆みそ」、「精進肉みそ」、「LEMON SALT 熟成塩レモン」

光浦醸造が重視したのは、味はもちろん、スタイリッシュすぎないパッケージのデザインだった。スタンダードな商品であっても時代や環境にあったよりよい製法、原料を選び、変化を恐れない味づくりを目指している光浦醸造にとって、懐かしさや温かみを感じる素朴なデザインは商品の安心感ともリンクする。実はパッケージデザインは、商品開発を手掛ける光浦社長が自ら担当している。

もともとデザインに関心があり、スキルがあったのか。「そうじゃない。むしろデザインという言葉は気取ったイメージがあって嫌いだった」という。では、なぜ自身でデザインしているのか。それは、外部のデザイナーに依頼したが、思い通りのデザインがあがってこなかったからだ。

「自分たちが精魂込めて開発した商品への思いが伝わらず、話がかみ合わないことも多かった。商品を開発すれば、必ずパッケージが必要になる。デザインと向き合わないわけにはいかず、自ら手掛けることにした」(光浦社長)。

しかしデザインに関する知識は全くなかったため、独学で進めるしかなかった。描画ソフト「イラストレーター」や画像処理ソフト「フォトショップ」などの使い方を独学で習得。デザイン作業は、仕事が終わった後、寝る間も惜しんで取り組んだ。

■素人の垢ぬけないデザインが安心感を生んだ

ブレークのきっかけは、全国の工芸品・雑貨などを扱う中川政七商店との取引だ。中川政七商店のバイヤーから、フロートレモンティーシリーズについて依頼があり、13年から同店で販売を開始した。すると1週間後には全国のショップから「新規で取引したい」という連絡が次々と入ってきた。その多くは、中川政七商店のような雑貨や洋服などを取り扱うライフスタイルショップだった。その後、中川政七商店で新商品を販売すると、同様の現象が何度も起きたという。

ヒットの要因は、商品自体の魅力にあることは間違いない。その後押しとなったのは、スタイリッシュすぎない等身大のデザインだ。プロのデザイナーが見たら、味噌や調味料などのパッケージデザインとの統一感がなく、垢抜けていないと感じる部分もあるだろう。しかし、紅茶にレモンを浮かべたときのかわいらしさをそのまま表現したような優しい雰囲気のパッケージデザインは、国産の素材をつかっている商品の安心感ともリンクする。ライフスタイルショップの店頭に並べても違和感がない。「デザインを自ら手掛け、商品開発の一部だと実感した。商品に込めた思いをダイレクトに表現できると自負している」(光浦社長)。

フロートレモンティーシリーズの人気に伴い、光浦醸造の知名度が高まった。今では自社や外部のECサイトによる味噌や調味料の販路が広がっている。食材宅配サービスの「Oisix」には、光浦醸造のコーナーがあるほど。セブン-イレブンの宅配サービス「セブンミール」や、レシピサイトのクックパッドが運営するマルシェアプリ「Komerco -コメルコ」でも商品を販売している。

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