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ヒットを狙え

味噌メーカーの挑戦 ハート形レモン付き紅茶がヒット

日経クロストレンド

2019/2/28

ストレート甘酒シリーズ。左から「プレーン甘酒」、「レモングラス甘酒」、「夏みかん甘酒」。米や夏みかん、レモングラスなど、100%山口県産の原材料を使用している

■年間通して安定供給できる新商品「甘酒」に期待

フロートレモンティーシリーズの売り上げは、右肩上がりで伸びているが、製造量を増やせないというジレンマがある。皮まで安心して食べられるという広島産エコレモンの需要が高まり、原材料の確保がしにくくなっているからだ。エコレモンを大量に仕入れても、現在の設備や人員数では作業が追いつかないという課題もあった。エコレモンの収穫時期は1月から4月ごろまで。その短期間にスライスから乾燥までの作業を一気に行う必要がある。「理想はできるだけ大量に仕入れ、年間通してレモンティーの製造をすること。そのためには、何かしらの状態でレモンを腐らさずに保管する必要がある。保管方法はスタッフが中心となって研究しているが、まだ打開策は見つかっていない」(光浦社長)。

今後、さらに売り上げを伸ばしていくためにも、原材料の収穫量などに左右されず、安定して大量に生産できる商品が必要だと考えた。そのことを念頭に開発したのが「甘酒シリーズ」だ。濃縮タイプの他、そのまま飲める「ストレート甘酒」を18年1月に商品化。酒かすや砂糖を使用しない、米とこうじから作ったノンアルコールの甘酒は添加物を使用せず、常温で保存できる。光浦醸造の主力として期待が高まっている。

■事業を拡大し、家業から企業へ

17年9月には本社が完成し、18年2月には本社併設のショップもオープンした。中庭を挟んでオフィスとショップを分けた広々とした空間がある。ショップには、光浦醸造の商品だけではなく、店がセレクトしたランチョンマットやエプロン、お菓子なども取り扱っている。ショップは増やしていきたい考えで、新事業を立ち上げる計画もある。

「光浦醸造は、家族とその知り合い数人が働く家業だった。現在は、パートの従業員を含めて31人。ようやく家業から零細企業にはなれたと思う。今後、事業規模を拡大していくためには、フロートレモンティーのような独自性がありつつ、全国のスーパーに並ぶような商品が必要だ」(光浦社長)。

今後は、味噌や調味料などの商品開発にも力を入れ、ストレートタイプの甘酒も今より10倍以上も製造できるように準備している。そのうえで全国的に営業をかける予定だ。

本社に併設されたショップ。設計は、タトアーキテクツ/島田陽建築設計事務所代表の島田陽氏が担当
ショップの内観。ショップには、キリンビバレッジの飲料「世界のkitchenから」のCM曲などを手掛ける作曲家の永田壮一郎氏によるオリジナルミュージックが流れる。永田氏と光浦社長は高校の同級生という縁があった

[日経クロストレンド 2019年1月28日、2月4日の記事を再構成]

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