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問い続ける人の思考法

創造力解き放つ環境求めて 元バンカー起業家の探究心 quod 共同代表の飯塚洋史氏(下)

2019/2/10

日本をはじめ先進国では今、第3次産業が経済活動の多くを占めています。中でもソフトウエア会社や設計事務所、コンサルティング会社、広告会社といった高い付加価値を生み出す産業で働く人が増えています。こうした企業で働くエンジニアやデザイナー、コンサルタント、さらに弁護士や会計士などの資格を持つ人たちを総称して、米国の社会学者であるリチャード・フロリダ氏は「クリエーティブ・クラス」と名付けました。

■カフェがクリエーターをひき付けるワケ

人と環境との関係を追究したい

石川 その言葉は聞いたことがあります。自らの創造性を通じて、経済的な価値を生み出す仕事をしている人たちの階層という意味ですね。クリエーターやナレッジワーカーとも呼ばれます。

飯塚 その通りです。そしてフロリダ氏は今後、ある国や都市が成長するには、クリエーティブ・クラスをいかに呼び込むかがカギになると指摘しました。だからこそ、創造性を発揮しやすい環境とは何かが大事になるわけです。

では具体的な場所はどこか。私が注目したのは、情報が集まる場所としてのカフェです。カフェの人間関係は3層からなります。真ん中にはホスト役となるオーナー、その周りに常連、さらにその外側にゲストがいる構造です。常連には作家や編集者、デザイナーといったクリエーターやナレッジワーカーがいて、そのお店が醸し出す雰囲気に引かれてゲストが集まります。

石川 なるほど。今はネットでいろんな情報が集められますが、人と会うことで得られる一次情報が大事だというのがミソですね。特に最近はネットのサービスが自動的に関心の高そうな情報や商品を推奨するリコメンド機能が飛躍的に向上しています。つまり、自分が予期しない情報を見つける可能性は少なくなっているということです。

また、人間の心理的な側面もあります。例えば、アマゾンのサイトで本を調べると様々な本をリコメンドしてくるのですが、関心がなければ買う気になりません。ただ、人から「この本いいよ」と薦められると、関心がなくても読んでみようかという気になることがよくあります。

飯塚 確かにそうですね。カフェでもオーナーが「この人はこんな人でさ」と紹介してくれる。大事なのは、そのカフェに集まる人は価値観が似ていることです。でもバックグラウンドは違う。持っているスキルや経験は様々なわけです。そうすると、集まる情報の質が上がる。全く異質の情報では自分の持つ情報と混ざりませんが、ちょっとずれた情報だから化学反応が起きやすいのです。

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