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日テレ女性キャスター 「提案が通らない」壁の越え方

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NIKKEI STYLE

組織の中でがむしゃらに働いた経験も、プライベートの寂しさや仕事の行き詰まりに焦りを感じた経験もある、日本テレビのキャスター小西美穂さん。書籍「小西美穂の七転び八起き」(小西美穂著、日経BP社刊)の読者と一緒に、働く女性の多くがぶつかる悩みについて考えました。今回は、「提案が通らない」壁の乗り越え方について。同じようなモヤモヤ、抱えている人はいませんか?

◇  ◇  ◇

【本日のお悩み】「せっかく転職した職場で提案が通らず、力が発揮できない。ずっと働くイメージを持てない」

【悩んでいる人】
清水さん(27歳・メーカー・SE/既婚・子どもなし)
やりたい仕事を求めて1年前に転職。しかし、その後に会社の体制が大きく変わり、社内の雰囲気がどんより。新しい提案も通りにくい職場で、このままスキルアップができるのかもんもんとする日々。将来、子どもも欲しいので2度目の転職も早めに考えるべきか悩み中。

――清水さんは、SE職ということで男性が多そうな職場ですよね。転職にも悩んでいらっしゃると聞きました。

清水さん はい。私は女性が多い職場から転職して、今の職場に移ったんですが、男性よりも女性が活躍しにくいのかなという雰囲気は感じています。さらに最近悩んでいるのは、自分が今後成長できるイメージを持てないことです。実は、転職して入った後に会社の体制が大きく変わってしまって。そこで出てきた問題について対策を講じる役目を任せられて、今その担当チームに入っています。自分なりに考えて練った案を提出しているのですが、「そこまでコストはかけられない」と突き返されることがほとんど。今の会社には、前向きな変化や新しいチャレンジができると思って転職したため、このままここにいて、転職組の私が活躍できるチャンスは巡ってくるんだろうかと不安に感じるようになったんです。

小西 清水さんは、今の仕事は好き?

清水 お客さんの立場に立って要望を聞いて一緒に問題解決をしていくという営業SEの仕事自体は好きです。でも、何か新しいことを会社に提案したときに「お金がない」という理由だけでバッサリ切られ続けるのだとしたら、この先はどうしたらいいのかなぁと。実はちょっと転職活動もしてみました……。

小西 今IT系の人材って引く手あまたと聞くけれど?

清水 選ばなければ転職先は見つかると思います。でも、20代で何度も転職すると、あまり信頼してもらえないんじゃないかという気もして足踏みしています。いずれ子どもも欲しいと思うと、ワークライフバランスもある程度確保できる職場がいいのかな、転職してすぐに子どもを産むのは難しいから動くとしたら今なのかな、と揺れています。すごくワガママな考えだって分かってはいるんですけど……。

「これが自分の限界かな」と思った時にできること

小西 全然ワガママじゃないよ。みんな、同じようなことで悩んでいると思うから。でも、転職を検討する前に、まずは、今の部署で提案がどうして認められないのかを考えてみたほうがいいかもしれないですね。管理職的視点でいうと、清水さんに求めているのはなんだろう。「コストをかけない提案をしてほしい」ということ?

清水 それは何度も言われていますね。過去に通った提案とかを見ても、コストカットのアピールが目立ちますし。会社としても「IT投資」と表向きには言いながら、実際にはコスト削減の手段なんです。

小西 だったら、コストカットの方向で提案してみるというのは考えにある?

清水 そうですね。ただ、自分の中には、もうちょっと「投資」という考え方をするべきではないのかという思いがあります。

小西 私の場合で置き換えて考えてみるとね。もしも私が自分の提案が通らなかったとしたら、「なぜ通らないか」を徹底的に考えてみると思う。会社が提案を通してくれない理由はなんなのか。

小西 例えば、まずは上司に直接聞いてみて、過去にどんな提案が通っているのか、あるいは同じ業界で似たような例がないかをリサーチしてみたり。もし工夫や勉強次第で解決する理由なら、まだまだできることはあるんじゃないかなぁ、と。自分の提案を会社に通すためにできることをすべてやり尽くしたかどうか、もう一度点検してみるのはどうかな。

私もね、いまだにあるんですよ。「ああ、これが自分が出せる限界かな」と思ってしまう時。でも、本気で探せばまだまだ見つかるんですよね。足りない知識を身に付ける本を読むとか、参考になる他局の番組をチェックしてみるとか。自分に足りない栄養をつけてからもう一回考えてみると、出せるものもずいぶん変わったりするんだよね。

清水 まだやれることがあるかもしれない、と考えてみるんですね。

小西 そうそう。新しいことにチャレンジするぞ! と意気込んで転職してきた清水さんにとっては、正直、納得できない気持ちもあると思う。「なんで聞く耳を持ってくれないんだろう」って。理不尽な気持ちになることもありますよね。でも、自分にとっては理不尽でも、相手にとっては理にかなっていることって往々にしてあるものなんですよね。

本来なら、提案を受け取った上司が「この部分をもっとこうしたら通りやすくなる」とか具体的に教えてくれたらいいと思うんだけど、もしそれが期待できそうになかったら、上司以外の他の人に聞いてもいいんじゃないかな。同じ部署の人は、実はライバルでもあるかもしれないから、例えば他の部署の優秀な先輩とかね。

清水 今の場所でもっと踏み込んだことを、転職を考える前にやってみてもいいということですね。

「提案が通らない」「周りに頼れない」壁をどう乗り越えるか

小西 「提案が通らない」って、清水さんが直面している「壁」なんだよね。その壁を避けてしまうのは簡単かもしれないけれど、なんとか乗り越えようと頑張って、もしも突破することができたとしたら、一気に今の環境が楽しくなるかもしれない。一番いいのは、さっきも言ったように、会社の中でとにかく動き回ってみることだと思う。「私の提案書、なんとか通したいんです! ご意見をお願いします~」ってアドバイスをもらいに行くとか。

例えばね、他の部署でも「あの人すごいな~。いっつも企画をバンバン通してるな~」という先輩、いたりしない? そういう人に「15分でもいいのでお時間ください」とお願いして、簡潔に聞く内容も準備してから時間をもらう。「ここまで自分で考えてみたんですけど、何が足りないと思いますか?」と相手が具体的に答えやすいように聞いてみる。

清水 なるほど。確かに具体的な回答がもらえると、提案に反映しやすいです。

小西 その時にポイントなのは、決してキラキラの答えを期待しないこと。「何か一つでもヒントをもらえたら超ラッキー」くらいの気持ちで臨む。収穫がなかったとしてもね、行動したことに意味があるんです。動き始めると勢いもついてくる。「よし、じゃあ次は、あの人にあたってみよう」って。

そういうふうに繰り返していると、そのうち「あの子、ずいぶん熱心に聞き回っているよね」と周りにも伝わってくると思う。「だったら自分は役に立てるかも」という人が現れるかもしれないし。そういう人、出てきたらうれしくない?

清水 はい。私、なんとなく、自分が転職組だからちょっと遠慮していたのかもしれないです。どこまで周りに頼っていいのか、分からなくて。聞きに行くこと自体、ちゅうちょしていたような。

小西 分かりますよ。私も大阪の読売テレビから一人、日本テレビに飛び込んだ経験があるから。転職組の私が、どれだけ力を出せるのかって、プレッシャーや不安も感じますよね。そうしているうちに、もしかしたら、いつの間にか、自分の行動範囲を自分で狭めてしまっていたのかもしれない。それでまた、転職という選択肢が浮かんできたのかも。

でもね、私が思うのは、転職する前に今の仕事をやり尽くしたほうがいいってこと。「自分ができることはすべてやり尽くした!」と思えた後の転職は、気分もスッキリすると思うんですよ。「まだやり切れていなかったかも」という不完全燃焼感が残ると、次の会社でも同じような悩みが生まれるかもしれないから。

清水 一つのことに思い切りぶつかる経験が大事ということですね。

小西 私自身の、失敗を含めて(笑)の経験で言うとね、壁ってチャンスなんです。その壁さえ突破すれば、新しいステージが開けるという大チャンス。だから、私はできるだけ全力でぶつかってみてほしいなと思う。その壁を突破するための要素はなんだろう? と調べてみて、例えば、その一つが人間関係だとすると、「ラッキー、人間関係をとにかくよくすればいいんだな!」とできることが可視化されて気が楽になるかも。例えば、飲みニュケーションに一度付き合うだけで状況が改善するなら、ちょっと参加してみようかな、とか。

清水 社内に聞きに行ける人が増えていくのは、自分にとっても心強いですね。お話を聞きながら、「まずは、あの人にあんなことを聞いてみようかな」という行動のイメージが湧いてきました。

希望や前向きさを生み出す「360度視点」

小西 行動することで、確実に仲間は増えていくと思いますよ。

あと、「コストカット」を前提にしているという会社の上層部の人も、実は、自分が見える世界とは全く別の視点で世界を見ているかもしれない。もちろん、上層部が見えていなくて、現場の清水さんには見えている部分もあると思うんだけれどね。上層部は会社の業績や中長期の見通しや業界動向を全部含めた上での判断軸で、取捨選択をしているはず。だから、自分一人の角度で判断するよりも、ちょっと見渡すつもりで360度視点で考えてみると、「あ~なるほどね」と理解できることが出てくるかもしれない。

「全部見えているのに、提案が通らない」のと、「少ししか見られていないから、提案が通らない」のとでは、後者のほうが希望が持てないかな? 「自分の視野は狭い。もっともっと広く見てやろう」という気持ちになったら、前向きな成長にもつながっていくと思う。どうだろう。

清水 確かにそうかもしれないですね。もっと大きな視点で考えてみます。まずは自分からアプローチして、足りないところを聞きに行ってみることから。明日からでもそれは始められそう。

小西 よかった! あと、「今後子どもを産んだときのワークライフバランスも気になる」という話もあったけれど、子どもが欲しいと思っていることや、出産後にどれくらいのパワーを出して働いていきたいかという希望は、上司から聞かれるのを待つのではなくて、どんどん自分から言ったほうがいいと思う。

清水 自分から伝えてもいいものなんですね。

小西 そうそう。「もっと頑張りたい」と思っているのなら、きちんとそう伝える。なぜかというと、上司からはなかなか聞きにくいことだから。特に、男性上司なんかは、「そんなこと、自分から聞けないよ」なんて人もいる。そんな相手に「普段の働きから察して」もらうのは難しいですよね。きちんと言葉にして希望を伝えたほうがいいね、きっと!

小西美穂
日本テレビ解説委員・キャスター。1969年生まれ。読売テレビに入社し、大阪で社会部記者を経験後、2001年からロンドン特派員に。帰国後、政治部記者を経て日本テレビ入社。BS日テレ「深層NEWS」ではメインキャスターを約3年半務め、現在は報道番組「news every.」でニュースを分かりやすく解説。関西出身の親しみやすい人柄で支持を集める。新著の「小西美穂の七転び八起き」(日経BP社)では、自身の仕事とプライベートの転機、キャリアの行き詰まりからの脱出法などをリアルに書き、多くの働く女性から大きな共感を呼んでいる。インスタアカウントはmihokonishi69

(文 宮本恵理子、写真 小野さやか)

[nikkei WOMAN Online 2018年11月27日付記事を再構成]

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