都会の真ん中で樹木葬 好アクセス・跡継ぎ不要で人気終活見聞録(16)

明確な決まりはなく、様々なスタイルが樹木葬を名乗っているのが現状だ。ただ、個別埋葬でも合葬でも、原則は寺院や宗教法人が永代で供養する。1人だったり、夫婦で入ったりするなら、一般墓を建てるより費用は少なくて済む場合が多い(人数が多ければ一般墓より高くなる可能性がある)。価格は1人につき、合葬は3万~70万円、個別埋葬が15万~80万円ぐらいと幅がある。管理料は不要というケースも多いが、中には利用者が生きている間は支払うところもある。

一般墓の購入、半分を切る

葬儀や墓関連のサイトを運営する鎌倉新書によれば、17年に墓を購入した人のうち、一般墓を購入したのは46.7%と半分を切った。一方で樹木葬の墓は24.9%、納骨堂は19.6%に上った。この2つが増える傾向は今後も続きそうだ。一般墓は男性が好み、樹木葬の墓は女性が好むとの指摘もある。男女別で見ると、女性は約30%が樹木葬を選び、男性の19%を上回った。夫婦では夫が先に亡くなるケースが多いことも、樹木葬の増加に輪を掛けているかもしれない。


墓の購入者に理由を聞いた同社の調査によれば、樹木葬の墓で多かったのは「跡継ぎがいないから」だ。基本は購入後に家族の手間がかからない仕組みなので継承を気にしなくてよい。跡継ぎがいなかったり、子どもがいても迷惑をかけたくないという人に向いている。ただ、実際には「都市型の樹木葬の墓を購入する人の3分の2は子どもがいる人。費用や管理などで迷惑をかけたくないが、お参りには来てほしいと考えているのではないか」と、高輪庭苑など都内で10カ所以上の樹木葬の墓地を展開するアンカレッジ(東京都港区)社長の伊藤照男さんは話す。交通アクセスがよい場所が人気を集めるのはそのせいもあろう。

事前に見学、特徴を知ったうえで選択を

他の墓より目立ったのは「埋葬後に自然に還れそうだから」。だが、都市型などは里山型のスタイルをそのまま採用しているわけではない。骨つぼのまま納めるのであれば自然に還らないだろう。埋葬スペースも小さく、「樹木葬は頭の中で描くイメージとギャップがある場合もある」と鎌倉新書執行役員の田中哲平さんは指摘する。事前に見学し、その特徴をよく知ったうえで納得して選びたい。

(土井誠司)

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