都会の真ん中で樹木葬 好アクセス・跡継ぎ不要で人気終活見聞録(16)

樹木葬の墓地、全国に400~500

そもそも樹木葬は1999年に岩手県一関市の寺で始まったといわれる。それから20年。今では当初とはイメージが異なるケースが増えた。樹木葬といえば「里山など豊かな自然の中で眠る」「土に還(かえ)る」「木や草花を墓標にする」などを思い浮かべる人が多いだろう。これらはいわゆる「里山型」と呼ばれる初期からあるタイプ。2010年前後から登場したのが「都市型」や「都市郊外型」、または「公園型」などと呼ばれる別の形態だ。墓というと暗かったり、寂しかったりといった印象があるが、これらの樹木葬は明るい雰囲気のところが多い。

中央にシンボルツリーが立つ樹木葬の墓地(都立小平霊園)

樹木葬の墓地の正確な数字は不明だが、東京都内で70程度、全国に広げると400~500ぐらいあるとされる。ここ数年目立つのは、都市型や都市郊外型だ。手つかずの自然をそのまま生かした里山型と違って人の手でつくられた墓地。都市型は主に東京23区など大都市の中心部にある寺院の一角、都市郊外型は郊外の霊園などの中に設けた専用の区画を表す。旧来の墓地の一部を転用したものも珍しくない。中でも都市型は「不便な立地」という従来のイメージを覆した。中心部にあって最寄り駅から徒歩数分の好立地もある。そこに多くの花や草木を植え、草花に囲まれて眠る環境を作り出した。ただし、地価が高いのでひとつひとつのスペースは小さい。

終活ツアーで樹木葬の墓を見学する人たち(東京都小平市=クラブツーリズム提供)

都市型や都市郊外型には合葬と個別埋葬

里山型は遺骨を個別に埋葬し、その場所に一本一本木などを植えてそれを墓標にする。何年かすると土に還るとされ、自然に優しく、里山の保全にもつながるといわれる。一方の都市型や都市郊外型には合葬と個別埋葬がある。合葬は他の大勢が入っているスペースに遺骨を入れる。底が土間のようになっているので土に混ざるが、他の遺骨と一緒なので後から取り出すことはできない。シンボルツリーが多くの遺骨の墓標代わりという墓地もある。一方の個別埋葬は骨つぼのまま納めることが多く、基本は土に還らない。石版やプレートを納めた場所の目印にするところも目立つ。期間を区切り、それが過ぎれば合葬墓に移すパターンもある。

個別埋葬では骨つぼのまま納め、一定期間後に合祀(ごうし)するところもある(高輪庭苑)
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