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カリスマの直言

企業統治改革、形だけでは株価浮揚しない(藤田勉) 一橋大学大学院特任教授

2019/2/11

戦前の日本の企業社会は欧米同様、株主重視であった。しかし、戦時中に統制経済が導入され、戦後、それがメインバンク制、安定配当、年功序列、終身雇用、株式持ち合いなどの日本型経営として定着した。その結果、日本では実質的に株主総会は十分に機能してこなかった。シャンシャン総会、株主総会集中日、総会屋といった言葉は日本独特のものだ。

株主のガバナンスに問題もある。事業会社は持ち合いといった政策保有株が多いため、株主権を行使して対象企業の経営を変えようとする動きは少ない。また、大手金融機関の系列運用会社の経営者の多くは親会社から派遣されているため、機関投資家が親会社の重要顧客に対して厳しい株主提案をすることはない。

■最近は変化も見られるようになった

ところが最近、日本でも株主権の積極的な行使について変化も見られるようになった。その代表例は伊藤忠商事によるデサントに対するTOB(株式公開買い付け)である。伊藤忠はこれまでデサントの議決権の3割を保有しながら、それに見合う影響力を持っていなかった。そこで、伊藤忠は4割の株式取得を目指して事実上の敵対的TOBを実施することとした。

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