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橋本愛 ロルバーンのノートで気付いた書くことの魔力

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今年、女優デビュー10周年を迎える橋本愛さん。宮藤官九郎さんや中島哲也さんら才能あるクリエーターを引きつけてやまない彼女の演技に欠かせないのがリングノートだった。

ロルバーンノートで「役や人間に対する理解と共感度が上がった」

「私は学校の授業でもあまりノートを取っていなかったし、打ち合わせでも何も書かなくて怒られるくらいだったんです。それではだめだなと2、3年前からノートを持ち始めたんですけど、最初に使ったのが中綴じタイプで、ノートを手で押さえないと書けなかったんです。それが不便でだんだん書かなくなって、友達に『何がいい?』と聞いたら、『私はずっとロルバーンを使ってる』と。その子は『何種類もノートを使いこなして、これに行き着いた』と言っていたので、彼女の結論を横取りして(笑)、私もロルバーンのノートを使い始めたんです。そうしたら、書くことの楽しさに目覚めました。

まずリングなので、押さえずに書ける。表紙の色や柄もかわいくて、種類が豊富なので選ぶのも楽しい。私は以前は赤で、今は青。ストックにオレンジと黄色とピンクを持っています。サイズもちょうど良く、持ち運びしやすいです。それに作品ごとに役について考えたことやテーマ、監督が話していたことなどをメモするんですけど、大きいサイズだと紙が余っちゃうんですよ。私が使っているものだと大体一冊書き終わってから次の作品や課題に行けるので、何においてもベストな相棒です」

東京・目黒区に拠点を置くデルフォニックスが生み出した「ロルバーンノート」。表紙がハードカバー仕様で立ったままでも書きやすく、紙にミシン目が入っているため、切り離して使うこともできる。おしゃれなデザインとコスパの良さも特徴だ。

「私にとって色がもたらす効果は絶大で、服もパジャマも靴下も、身に着けるものは全てまず色から入ります。ロルバーンはハッとする原色が多くて、脳が起きる感じがする。『さあ取り組むぞ』というときにアドレナリンの分泌が上がります。

ノートに言葉を書くと、ぼんやり捉えていたものがどんどん鮮明になっていく感覚があります。それに思ってもいなかった、真逆の言葉が出てくることがしょっちゅうあって面白いんです。例えば演じる女の子の過去を想像してエピソードを書き出してみると、それまで頭の中で考えていたものと全く違うストーリーがすらーっと出てきたり。毎回びっくりするんですが、そっちの方が辻つまが合っていたり、その子の新しい一面が見えたりします。書くという行為には、魔力があることを知りました。

書いたものを見渡すことができるのも、いいですね。ただ声に出すだけでなく、それを録音したものを耳で聞くことで初めて客観的に自分の声を知ることができるのと同じように、自分の頭の中にあるものを一回具現化して、それを目で見て捉える、というやり方が自分に合っているなと思います」

「脳が起きる」「頭を整理する」といった言葉が印象的。女優の仕事に「頭脳」は大切なのか。

「私の場合は、理論や仕組みがわからないとアウトプットできないんです。その理解を感覚でするときと、体でするときと、頭でするときがあって。頭を集中して使っているときは本当、知恵熱がでますね(笑)。以前は感覚を使う割合が多かったので、手をつなげていない部分が出てきてしまっていたんです。だけどノートに書き出してからは、謎が面白いようにひもとかれていく。マトリョーシカの一番奥にある顔を見るために、蓋を開け続けていく感覚です」

「21世紀の女の子」で21歳の女性監督とタッグ

2019年2月8日公開の出演映画は「21世紀の女の子」。若手のトップランナー・山戸結希監督が企画・プロデュース。15人の女性監督が短編を競作したオムニバスムービーだ。橋本さんは松本花奈監督の「愛はどこにも消えない」に主演し、性に関する衝撃の事実を知って失恋した女性・チカコを演じている。

「もともと山戸監督のファンだったので、作品に携われることがうれしく、興奮しました。松本監督の脚本を読んだときに、『これは今、絶対にやりたい』と思いました。青春というものや、おとなになりきれない子供の部分など、何かに片足突っ込んだまま揺れているチカコちゃんに強いシンパシーを感じたからです。

演じる上で難しかったのは、チカコの『好き』という気持ちの種類。彼女が彼を好きなのは、彼が自分のことを好きだから、という、簡単には落とし込めない好きの種類の持ち主だったので、てこずりました。ふに落ちたのは、実家に帰ってじゅうたんを見ていたとき。『ああそうか!』とひらめいたのですが、つかんでもするっと逃げてしまいそうなくらい繊細な感情だったので、急いでノートに書き留めたのを覚えています」

松本花奈さんは自主制作映画を岩井俊二監督らに認められ、ドラマ『恋のツキ』やHKT48のミュージックビデオなどを監督している21歳の女子大生監督。23歳の橋本さんにとっては、初の年下監督となる。

「年齢のことは知らなかった……というか気にしていなかったので改めて聞くと驚きますが、松本さんは心強かったです。役やシーンについてどんな質問をしても、必ず具体的な答えが返ってくるんです。その隙のない作品への態度に感動しました。劇中のモノローグを、収録当日までずっと直し続けていたのも印象的でしたね。台本をもらうたびに『ああ、今日はこの言葉なんだ』と変化が見える。有限の時間と無限の可能性のはざまで闘いながら、未完成のまま進んでいく現場がとても好きでした」

「物語が宿る」フィルムの写真で感動する心を養う

橋本さんがデビューして10年。その間に世の中のケータイはスマートフォンが主流になったが、橋本さんは「ガラケーに変える計画をしている」と笑う。

「デジタルとの付き合い方を自分でコントロールしないと、原始的なものが奪われてしまう気がするんです。私はそこまで、この人に心を許してない(笑)。

今は漫画も小説もケータイで読めますけど、私はできるだけ紙の本で読みたいです。映画もそうですけど、作り手は媒体のサイズを意識して、狙っている表現があるはず。それを、そのまま狙い撃ちされたい」

お気に入りの趣味のモノは、FUJIFILMのコンパクトフィルムカメラ「NATURA CLASSICA」。生産中止となった幻の名機で、オートで味のある写真が撮れることが特徴だ。

「買ったのは5、6年前。駄々をこねている子供をそっと撮って、一人で眺めてほくほくしています。NATURAはピントを合わせるのも簡単なので、撮りたいと思ったとき瞬時に撮れるのがいいですね。

私は自分で撮るならフィルムがいいです。例えば、おばあちゃんが何かを食べている。フィルムだとそれだけでも物語が宿るんです。そんな風に日常がドラマチックにアップデートされるのがたまらなくて。デジタルも深く知れば面白さがあると思いますが、肉眼に近い解像度のものを残すことに今は興味が湧かないです。詳しい人に力説されたら、はまってしますかもしれませんが(笑)。

本当に写真に詳しい役者さんは、レンズと自分の距離を見るだけで画角が想像できるみたいで。『俺、この辺に立つといいかな?』とご自身で移動されたりする姿を見ると、いいなあ、と思います。私がそこまでできるようになるには、まず勉強しないと(笑)。

今、欲しいものですか。うーん……ある。……いっぱいある。えっと、そうだな、うーん、えーっと、うーん、あ~(しばし熟考)……あ、ピンクのタイツで(笑)。理由? ピンクが好きだから。すみません、こういうの、適当に答えられなくて(笑)」

橋本愛
 1996年生まれ、熊本県出身。2009年に雑誌「Seventeen」のミス・セブンティーンに選ばれ、同年女優デビュー。10年に映画「告白」で脚光を浴び、12年の「桐島、部活やめるってよ」「Another アナザー」などで日本アカデミー賞やキネマ旬報ベスト・テンなどの新人賞を獲得。13年にはNHK連続テレビ小説「あまちゃん」でも注目を集めた。以降の出演映画に「リトル・フォレスト」(14年)、「バースデーカード」(16年)、「美しい星」(17年)、「ここは退屈迎えに来て」(18年)など。19年1月から大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」に出演。

「21世紀の女の子」

「溺れるナイフ」(16年)をヒットさせた新鋭・山戸結希監督が、同世代の1980年代後半~90年代生まれの女性監督14人と作り上げたオムニバス映画。「自分自身のセクシャリティあるいはジェンダーがゆらいだ瞬間が映っていること」をテーマにした、バラエティ豊かな短編が楽しめる。企画+プロデュース+監督・山戸結希 監督・井樫彩、枝優花、加藤綾佳、坂本ユカリ、首藤凜、竹内里紗、夏都愛未、東佳苗、ふくだももこ、松本花奈、安川有果、山中瑶子、金子由里奈、玉川桜 出演・橋本愛、朝倉あき、石橋静河、伊藤沙莉、唐田えりか、黒川芽以、瀧内公美、日南響子、松井玲奈、三浦透子、山田杏奈ほか 2019年2月8日(金)よりテアトル新宿ほか全国順次ロードショー

(文 泊貴洋、写真 藤本和史)

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