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「微生物からジェット燃料」 その気にさせる鴨鍋の席ユーグレナ社長 出雲充さん

テレビ東京「Newsモーニングサテライト」のシリーズ企画「トップの勝負めし」第5回のゲストはユーグレナの出雲充社長(39)だ。出雲さんは2005年にユーグレナを設立。世界で初めてミドリムシを量産化し、2012年に東証マザーズ上場を果たした。いま最も力を入れているのが藻の一種である微生物、ミドリムシからバイオジェット燃料を製造するプロジェクトだ。

インタビューに答える出雲さん(左)

千代田化工建設やいすゞ自動車、ANAホールディングスなどと共同し、2020年までに国産バイオジェット燃料による飛行の実現を目指している。出雲さんが海外投資家らに「ミドリムシで飛行機を飛ばす」と熱く訴える場に定めているのが、東京・渋谷の「のんべい横丁」にある「やさいや」だ。

1階はカウンター席のみで、2階はちゃぶ台が昭和の雰囲気を醸し出す座敷席。重大な経営判断について関係者に説明するときも、好んでここを選ぶ。4畳ほどの小さなスペースがそうさせるのか、向き合った相手は出雲さんの声にしっかり耳を傾けてくれる。

この店でまず提供されるのが、旬の野菜を使った京都の家庭料理「おばんざい」だ。千切りごま酢あえは、甘酢の香りに特徴があり、お酒も進む。

そして「勝負めし」は鴨(かも)鍋。新鮮な新潟産の合鴨を生のまま仕入れるので臭みがなく、簡単にかみ切れるやわらかさだ。焼き目がついた輪切りと短冊切りのネギの香りが、鴨を引き立てる。

「誰もやったことがないことを、どうしてできると言えるんだ」。この場では海外投資家も安心して遠慮のない疑問を投げかける。出雲さんが「ミドリムシを使った技術がなぜ日本で花開いたのか。日本酒の麹(こうじ)や醤油(しょうゆ)、酢などの発酵食品を見てほしい。日本は微生物における研究が世界で最も進んでいる」と力説すると、聞き手も思わず納得の表情を浮かべるという。

出雲さんは「勝負をするときは緊張する。そういうときこそ、どうやって普段の状態に戻ることができるか。まさに平常心の一言に尽きる」と話す。熱意をもって冷静に語る出雲さんの言葉には、夢を空想にとどめない強い意志がこもっていた。

鴨鍋(おばんざい4~5品)。鴨鍋コースは4950円(税別)
「やさいや」2階の座敷席には安心感が漂う(東京都渋谷区)
やさいや
東京都渋谷区渋谷1-25-10
(電話)080-6592-8887
営業時間 午後6時~9時半(1階は11時まで)
不定休

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