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胃液の逆流、実はピロリ除菌も原因になるってホント?

日経Gooday

2019/2/16

正解は、(1)ホントです。

■胃食道逆流症には、加齢や肥満、脂肪分、ピロリ菌除菌などが影響

胃食道逆流症(GERD:GastroEsophageal Reflux Disease)は、胃酸(胃液)などの胃の内容物が食道へ逆流する病気で、胸焼けなどの不快な症状や、食道粘膜の炎症などを引き起こします。

「胃食道逆流症の症状は、胸がムカムカする、焼けるようにジリジリする、といった症状だけにとどまりません。酸っぱいものが口の中までこみ上げてきたり(呑酸、どんさん)、食後に胸や背中が痛むこともあります。咳(せき)が止まらず、喘息かと思っていたら、実は胃食道逆流症が原因の咳であったという事例もあります」。そう話すのは、四谷メディカルキューブ減量・糖尿病外科センター臨床研究管理部部長の関洋介氏です。ただし、逆流があっても特に自覚症状がないタイプの人もいます。

なぜ食道への逆流が起こるのでしょうか。「食道と胃のつなぎ目から4~5cm上の部分には下部食道括約筋という筋肉があるのですが、この筋肉は普段はギュッと閉じていて、食べ物が口に入り、胃に向かって下りてきたときだけ開く仕組みになっています。食べ物が胃に運ばれると、下部食道括約筋は再び閉まり、胃から食道への逆流を防ぎますが、この筋肉の働きの不具合によって、胃の内容物が逆流しやすくなります」(関氏)。

この不具合に大きく影響するのが、加齢です。さらに、脂肪分の多い食事やアルコールも、下部食道括約筋の機能を低下させ、緩みやすくします。肥満がある人や妊娠中や出産後の女性も、腹圧が上がるため、胃液がより逆流しやすくなります。また、チョコレートやケーキなどの甘味料が多く使用されているもの、酢やオレンジジュースなどの柑橘系または香辛料など刺激が強いもの、紅茶・コーヒー・緑茶などカフェインを含むもの、さらに、日常生活でのストレスは、胃酸分泌を促すとされています。食道裂孔ヘルニアといって、食道と胃を隔てる横隔膜の穴(食道裂孔)が緩んだ場合も逆流しやすくなります。

これらに加え、近年増えている胃のピロリ菌の除菌治療も、逆流のリスクを上げることが分かっています。「ピロリ菌が胃に感染すると、胃粘膜が萎縮し、胃酸分泌が減少します。ところが、胃がん予防のためにピロリ菌を除菌すると、胃がんのリスクは減りますが、胃酸の分泌が促進されるようになり、逆流が起こりやすくなるのです」(関氏)。

胃食道逆流症の治療は、胃酸の分泌を抑制する薬(H2ブロッカーやPPIと呼ばれる種類の薬)の服用が中心になります。生活習慣の改善も大切です。「甘い物・辛い物、脂っこい物、酸味の強い物を避け、大食い・早食い、お酒、タバコなどはなるべく控える、食後はすぐに寝ころばない、就寝時は枕を高めにするなど、胃の負担となる飲食や習慣を避けることから始めてみるとよいでしょう」と関氏はアドバイスしています。

[日経Gooday2019年2月4日付記事を再構成]

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