動画やリポート 株式投資の第一歩は無料情報活用

ただしこうした銘柄紹介はあくまで「参考」とみたほうがいい。Nomura21の運用成績は過去約20年でみて日経平均を上回るが、時期によっては下げ幅が大きい(図B)。ダイワ・セレクションは運用成績を公表していない。

主要な企業について業績や株価の見通しを示すのがアナリスト・リポートだ。もともとは大口の売買注文を出す機関投資家を相手に作成するものだが、最近は一般の口座保有者向けに提供するケースが増えている。大和や三菱UFJモルガン、SMBC日興証券、みずほ証券などだ。

カブドットコム証券は三菱UFJモルガン作成のリポートを、マネックス証券はJPモルガン証券作成のリポートをそれぞれ提供している。

詳細分析にヒント

アナリスト・リポートには「買い」「中立」「売り」といった株価レーティング(格付け)が示されるのが一般的だ。投資情報会社アイフィスジャパンは、証券各社のレーティングを集計し、サイト「株予報」上に公開している。

株価レーティングが上方修正されて株価が上がることがあるが、たいていは自動取引などによって瞬時に株価に反映される。個人投資家への配信に時間がかかることもある。長期の視点で投資を考えるうえでは参考にしにくい。

ではリポートのどこに注目すればいいのか。ある大手運用会社の株式担当者は、ページを費やして詳しく分析したリポートを重視している。特に「企業が公表した情報に対する疑問点をしっかり書き込んでいると参考になる」と話す。

例えば企業が発表した成長事業の計画に対して「コストを高めに見積もっている可能性がある」とコメントしていたとする。その見立てが正しければ、いずれ業績に反映されて株価が上がるかもしれない。

大手証券がカバーしていないような新興市場の銘柄についてアナリスト・リポートを公表するのが一般社団法人の証券リサーチセンター(東京・千代田)。JASDAQやマザーズを中心に銘柄を選び個人投資家向けに書いている。「新規に上場したばかりの銘柄は原則リポートを出す」(高木伸行センター長)

中には専門用語が多い決算資料やリポートを読むのは難しいという人もいる。公認会計士の仕事の傍ら証券会社セミナーの講師を務める個人投資家の足立武志氏は「機関投資家がいまどんな銘柄に注目して買っているのかを探して投資する方法を勧めたい」と話す。

「プロは業績や株価指標面で裏付けがある銘柄に投資対象を絞り込むので参考になる」からだ。日経電子版の購読者向けコーナー「日経会社情報」には株主情報が載っている(図C)。投資信託や外国人の保有比率が一定以上ならプロの投資対象といえる。

さらに証券会社などが提供する銘柄スクリーニング機能を活用。増収率10%以上、増益率30%以上、自己資本利益率(ROE)15%以上といった業績や指標の条件で絞り込む。株価の動きを見て安定して上昇基調にあれば「プロが少しずつ買い増している可能性がある」と足立氏はいう。

話題性があるからとか、株価が急騰しているからといった理由だけで手を出し、やがてブームが去って損失を抱える――。株式投資にありがちな失敗だ。投資にリスクは付きものだからこそ、情報収集を怠らず、自分なりに有望株を選び出すモノサシを持っておきたい。

(表悟志)

[日本経済新聞朝刊2019年2月2日付]

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