収入はあくまで目安で、厳密には「都道府県民税の所得割」で決まる。同じ収入でも配偶者や子供など、扶養控除の対象者が何人いるかによって給付額が変わる可能性がある。正確な額を知りたいときは、市区町村で入手できる個人住民税の「課税証明書」などで確認する必要がある。国土交通省のサイト「すまい給付金」(http://sumai-kyufu.jp/)でもシミュレーションができる。

減税延長で相殺

これらの支援策によって、増税後に住宅を購入する方が有利になるケースがある(図C)。増税分の負担増が住宅ローン減税延長で相殺され、さらに、すまい給付金を受け取れる対象者が増えるからだ。

このほか、住宅取得資金の非課税贈与枠を最大3000万円まで拡充したり、住宅関連のポイント制度を新設したりする方針も示されている。増税前に慌てて住宅を購入する必要性はかなり薄れたといえそうだ。

支援策には注意点もある。ファイナンシャルプランナーの久谷真理子氏は「減税期間の延長で消費増税分が戻るといっても、10年以上先の話」と話す。フルに減税を受けるには13年かかるため、途中で所得が減って税額控除の恩恵が薄れたり、住宅を手放したりする可能性は少なくない。

価格の適正水準見極めて

すまい給付金についても、不動産コンサルティングのさくら事務所(東京・渋谷)の辻優子氏によると「対象物件は一般の人が思うより限定的かもしれない」。収入以外に取得物件にも条件があるからだ。中古住宅は売り主が個人ならすべて対象外。新築でも「瑕疵(かし)担保保険」への加入などが必要だ。

過去の消費増税前後には、駆け込みと反動減によって住宅価格自体が乱高下した例もある。増税前後の損得を考える際には、住宅価格自体が適正な水準かどうかを見極めることも大切だ。

(堀大介)

[日本経済新聞夕刊2019年2月2日付]