パワーリザーブ(連続駆動時間)120時間を誇る独自の機械式ムーブメント(駆動装置)「ボーマティック」を2018年に投入したスイス高級時計ブランド「ボーム&メルシエ」。1830年創業の老舗は新しい武器をどう展開していくのか。同じリシュモングループの高級時計ブランド「ジャガー・ルクルト」から18年、ボーム&メルシエに転じて最高経営責任者(CEO)に就いたジョフロワ・レフェーヴル氏に19年の新作と戦略について聞いた。
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――新作の特徴を教えてください。
「18年に『ボーマティック』を投入しました。とても新しいムーブメントで、この1年で我が社のDNAともいえる存在となりました。特に日本では大変大きな反響を得ています。19年の新作の柱は3つ。『クリフトン・ボーマティック』と『クラシマ レディス』、そして男性向けの『クラシマ』です」
■ボーマティックでさらなる複雑時計
「クリフトン・ボーマティックでは、ブルーダイヤル(文字盤)とレッドゴールド製ケースのモデルを加えました。そして、ボーマティックを使った複雑機構『パーペクチャルカレンダー(永久カレンダー)』搭載モデルを投入しました。ボーマティックは我が社の技術的な基盤であり、将来、これを使ったさらなる複雑時計を発表したいというメッセージを込めました」
「ブルーダイヤルの新作は、文字盤の中心がブルーで端にいくほど黒みを帯びるグラデーションを施しました。ケース直径40ミリメートルのサイズでベルトはレザーストラップとブレスレットを用意、それぞれCOSC(コスク、スイス公式クロノメーター検定所)認定取得の有無に応じて価格帯を変えて投入します」