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遺骨が目前に運ばれる ハイテク納骨堂、都市部で人気 終活見聞録(15)

2019/2/15

鎌倉新書が納骨堂を選んだ人にその理由を聞いたところ、「管理が気軽そうだから」が最も多かった。ただ、一般墓と違って遺骨を埋葬するわけではない。水をかけたり、線香をたいたりはできないので、中には物足りなく感じる人もいるかもしれない。外観はマンションと見まがうものも多く、中には隈研吾氏ら有名建築家がデザインした施設もある。内部には大仏があったり、ギャラリーや茶室、テラスを備えたりするところもある。法要ができる本堂や客殿を備えているのはどこも一緒だろう。

■一般墓より安価、改葬で選ぶ人も

「システムや設備にあまり差はなく、アクセスと価格で特徴を出している」と墓の動向に詳しい鎌倉新書の執行役員・田中哲平さんは説明する。最寄り駅から徒歩数分で到着する施設も増えている。家族のスタイルに合った立地を選ぶことができそうだ。昨年、千葉市にあった代々の家の墓を東京都港区の納骨堂に引っ越した都内在住の女性(65)は「何より近いのがよい。足腰が弱ってきた母親もお参りできる。手ぶらでも大丈夫なので買い物ついでにぶらっと立ち寄れそう」と話していた。平均価格は1基(厨子ひとつ)80万円程度。中には100万円を超えるものもあるが、民間の霊園などに墓を建てると100万~300万円かかるとされるので、それに比べれば安い。ひとつの厨子には関東用の大きな骨つぼは2つ、小さな骨つぼや袋に移せば8つまで収蔵できる場合が多い。1人用や女性専用の区画を設けたり、たから陵苑のようにペットも一緒に納骨できたりと様々なプランや価格がある。

遺骨収蔵厨子には大きな骨つぼは2つまで収めることができる。それ以上ある場合は小さな骨つぼや骨袋に入れて収める(東向島 たから陵苑)

費用ではこのほか、護持費とか護持会費などと呼ばれる会費が年1万数千円かかるのが一般的。この費用を払っている間は、期間に制限なく使用できるところもあれば、あらかじめ20年や50年などと区切っているところもある。無縁になったり、期間が終了したりすると合葬墓に移して供養するところも多い。墓の継承や跡継ぎをあまり気にしなくてよく、子どもがいない人やいても迷惑をかけたくないという人たちにとって利用しやすい仕組みといえる。費用に含まれる内容や個別供養の期間などはそれぞれのプランで異なる。購入の際は事前に見学し、内容や特徴をよく調べて選びたい。

(土井誠司)

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