景気後退織り込む株価 悪い情報に慌てず(窪田真之)楽天証券経済研究所所長兼チーフ・ストラテジスト

逆に、景気回復期の後半に入ったと考えるときは暗い気持ちになりました。景気回復の末期はあとから振り返ると、株の売り場になっていたからです。

私は今また、ワクワクし始めています。景気後退が始まっている、もしくは少なくとも停滞期には入っていると思うからです。

08年2月からの景気後退も誰も気付かなかった

参考までに、私がファンドマネジャーをやっていた頃に遭遇した「景気後退期」を示します。

08年2月~09年3月の景気後退を例にとって説明します。景気後退が始まったのは08年2月でしたが、最初はほとんど誰も気付いていませんでした。当時は「戦後最長の景気拡大が続いている」と楽観的な見方が広がっていました。

今振り返ると、景気後退の兆しがたくさん出ていたのですが、見えていても気付かなかったのです。

例えば、北米の住宅バブルが崩壊し、住宅ローンが不良資産となって欧米金融機関の財務を悪化させていることはそのとき、もうわかっていました。原油高騰によって新興国が高インフレに苦しみ始めていることもわかっていました。

日本ではガソリン価格高騰の影響で、道路を走る車が大幅に減少していました。また、日経平均株価は07年7月に高値をつけてから、既に大きく下がってきていました。あちらこちらに、景気後退のシグナルは見えていたのです。

それでも、景気後退に気付く人はほとんどいませんでした。「欧米の景気が減速しても、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の景気拡大が続くので、世界景気は好調を保つ」という思い込みがあったので景気後退のシグナルを無視してしまったのです。

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