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ブルガリCEO「次世代の顧客攻略へデジタル駆使」

2019/2/10

■デジタルで顧客との関係を再構築

――次世代に向けたアプローチではデジタルの取り組みが不可欠です。

「デジタル技術は人類にとって革命的であり、経営にとっても大きなインパクトがある。何より顧客とワン・ツー・ワン(一対一)の関係が築けることが大きい」

「ブルガリが小さなジュエラーとしてスタートした当時は、創業者が顧客を全員把握できた。その後企業が世界的に成長すると、全顧客の顔を見て関係を築くことが難しくなった。それが今、デジタルのおかげで、すべての顧客との関係を再構築することができるようになった」

「デジタルは経営環境を大きく変え、世界中の顧客との関係を結ぶことが可能になった」

――具体的にはデジタル技術をどう生かしていますか。

「商品の売買に活用するだけでなく、顧客に24時間、ブランドの知識を提供できている。顧客は商品やブランドの歴史、時計の修理方法について知り、アドバイスやカウンセリングを受けられる。我々はひとりひとりの顧客をサポートし、ブランド対顧客というよりも双方向の関係を築いている。いわばビスポーク(高級注文紳士服)のような関係だ」

「一方で人工知能(AI)を駆使すれば製品の需要予測ができ、どのようなサービスが望まれているのかを予知できる。ブルガリでは顧客の9割が最初のブランドへのアプローチでデジタルを活用している。創業時の135年前では店に行かなければ新商品は発見できなかった。いま消費者はまずウェブサイトで商品を見て、製品を試すために店舗を訪れ、ウェブに戻り、他ブランドと比較し、ブルガリを選んでいる」

――顧客とのコミュニケーションでもデジタル重視ですか。

「商品の販売では現在はブティックが中心だ。ただ、デジタルのおかげで来店頻度や売上高が上がっていることは明らか。顧客が店舗で購入するのか、オンラインで購入するのかは気にしてはいない」

「ただ、マーケティングについてはキーワード検索などで上位になるよう、デジタル広告に多額の資金を投じている。PRでは10年前は紙媒体、その後に動画と考えていたのだが、今では動画が最優先だ。やはりブランドの世界観が伝わるのは動画であると考えている」

■ダイヤモンドの新コレクション

――2019年、特に重点的にアピールする商品は何ですか。

「ジュエラーとして長い歴史を持っており、やはりジュエリーを優先させたい。まずは昨年、日本や中国でも発売したダイヤモンドの新コレクション『フィオレヴァー』。花びらをモチーフにしたデザインだ。まさにブルガリの花形として、何カ月もかけてブランドアイコンとして育っていくと感じている」

花びらをモチーフにした新コレクション「フィオレヴァー」

「また『ビー・ゼロワン』は20年の節目を迎える。気鋭の写真家を使った新しいコミュニケーションが春からスタートし、フィオレヴァーとビー・ゼロワンを組み合わせたキャンペーンも展開する」

「時計メーカーとしては、蛇から着想した『セルペンティ』、男性用の『オクト』が好評なので、力をいれていく」

20周年を迎えた「ビー・ゼロワン」のリング。ピンクゴールド×ホワイトゴールド23万円(税別)
日本でも人気が高い時計「オクト フィニッシモ オートマティック サンドブラスト」。ピンクゴールド(左)は457万円(税別)。ステンレススチール(右)は146万円(税別)

(聞き手は編集委員 松本和佳)

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