不動産価格は転換点か 都心の中古マンションは下落へ不動産コンサルタント 田中歩

写真はイメージ=PIXTA
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昨年12月ころから、業界内で「不動産価格が転換点を迎えつつあるのではないか」という声が聞かれるようになりました。年始の株価の大幅下落や円高など、国内外の景況観に不安要素が増え、不動産への融資(特に投資用不動産)についても金融機関が慎重になっているようです。こうした中でも、値下がりしにくい地域とそうでない地域があります。首都圏のマンションが地域によってどの程度、値下がりする可能性があるのか、予想してみました。

リスクプレミアムに注目

その前に不動産価格の決まり方の一つを説明します。

2018年10月31日のコラム「厳しくなる投資用不動産の銀行融資 価格は下がるか」でも解説したとおり、不動産の価格は賃料水準、金利、リスクプレミアムで決まると考えられます。算式は次の通りです。

不動産の価格=年間賃料÷(金利+リスクプレミアム)
金利+リスクプレミアム=表面利回り

リスクプレミアムとは、投資するなら最低でも金利以上のリターンを求めつつ、投資対象の不動産についてさらにどの程度の追加リターンを求めるかという上乗せ相当分を意味します。つまり、値上がりしそうな時期や、値下がりしにくい立地の不動産なら上乗せ相当分は少なく、逆の場合は上乗せ相当分を多く求めるようになります。

この考え方は投資用不動産でしばしば利用されますが、今回は賃貸にも出せることが多い首都圏の中古マンションの価格動向を占うため、この考え方を代用してみます。

価格の押し上げ、表面利回りの低下が原因

ところで、この算式をよく見ると、賃料相場の下落、金利の上昇、リスクプレミアムの上昇があれば、不動産の価格は下落することがわかると思います。

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