「デジタル終活」のススメ 相続や支払いトラブル防ぐ

NIKKEIプラス1

IDやパスワードは、使っている本人以外は知らないことが多い。スマホなどを確認したくても、できないのが現状だ。パスワード解除を専門業者に頼むと「スマホの復旧にかかる費用は平均23万円。パソコンは5万円前後」(古田さん)と多額だ。

紙にパスワード

遺族が見て分かるように情報をまとめ、指示を残しておくことが重要

デジタル機器の設定によっては、パスワード入力を一定数間違えると、自動的にデータが消去されることがある。こうなると手の打ちようがなくなってしまう。

伊勢田さんはトラブルを防ぐためのデジタル終活をすすめる。日本デジタル終活協会が定期的に開くデジタル終活セミナーには20代の学生から、終活に取り組む80代まで幅広く集まる。終活といっても、デジタル機器を使うならば、誰にでも起こりうる問題だからだ。

キャッシュレス化で複雑に

墓や弔い方の希望をまとめるエンディングノートのように「デジタルエンディングノート」を作り「スマホのIDやパスワードを書き残すことが有効」と伊勢田さん。個人情報やセキュリティー対策としてパスワードは「出身大学」などのヒントにとどめる。持ち歩いてなくさないようA4の紙に書き、小さく畳んで通帳にはさんで印鑑と一緒に金庫に隠しておくのもいい。

デジタルエンディングノートには「どんなデジタル遺品があるのか棚卸しをしたうえで、残すものとそうでないものに分け、それぞれについて対応の希望を記録しておく」(伊勢田さん)ことをすすめる。スマホや携帯電話を買い替えたときは更新したり、1年ごとに見直したりしよう。

電子マネーやスマホ決済が広がっている。古田さんは、「キャッシュレス化が進むことで、ますます金銭関係の問題が増えるのでは」と話す。

(ライター 児玉 奈保美)

[NIKKEIプラス1 2019年2月2日付]

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