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「デジタル終活」のススメ 相続や支払いトラブル防ぐ

NIKKEIプラス1

2019/2/7

日本デジタル終活協会のセミナーには幅広い層が集まる

亡くなった人のスマートフォン(スマホ)やパソコンが原因で、未納金の支払いやコンテンツ削除など、遺族がトラブルを抱えるケースが増えている。「もしも」に備え、デジタル情報を誰かに引き継ぐ「デジタル終活」を考えてみよう。

■継続的に費用を請求されるケースも

「金や契約が絡むデジタル遺品に頭を悩ませる遺族は多い」と話すのは、デジタル遺品研究会ルクシー(東京・港)代表の古田雄介さん。

デジタル遺品は持ち主が亡くなり、遺品となったスマホやパソコンなどのデジタル機器に残されたデータのこと。写真や文章だけでなく、インターネット上の登録情報やブログ、ネットショッピングなども含む。

トラブルになるのが金銭にまつわる事。電子新聞やネットマンガの定期購読、ネットショッピングの定期便サービス利用は契約を自動更新するシステムが多い。故人が契約した有料の定額サービスを知らず、継続的に費用を請求されるケースも。「死亡解約による未払い分は改めて請求する」と利用規約に明記するサービスは死後、数カ月たって支払い漏れとの連絡が届く。

日本デジタル終活協会(東京・千代田)の代表理事で、弁護士の伊勢田篤史さんはこうした事例を目の当たりにしている。利用者の死後、電子書籍や動画サイトでコンテンツを購入しダウンロードしたものが消えてしまい、遺族とサービス提供会社がトラブルになることも。しかし、「コンテンツは利用規約上、所有権ではなく閲覧権。相続できないケースが多い」。

■相続トラブルに発展

深刻な場合もある。最近ではネット上で契約や決済が完結する、便利なネット銀行を利用する人が増えている。遺族が連絡をすれば契約終了できるが、故人の取引金融機関を把握しきれず、知らないままになっているのが背景だ。

その口座を使い、家族に隠れて、外国為替証拠金(FX)取引や仮想通貨取引をしている場合がある。埋もれた金融資産や負債を知らずにいると後々、相続トラブルに発展する可能性も否定できない。

古田さんには「生前、仮想通貨に興味があると話していた。実際に取引していたか、調べたいがパスワードが分からない」といった相談もある。

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