株暴落は一時的 リスク過大視されている(武者陵司)武者リサーチ代表

それはFRBによる過剰なマーケット支援であり、モラルハザード(倫理の欠如)だ、バブル促進策だと批判する人はいる。けれども、インフレが抑制されている、つまりまだ供給力に余剰がある局面においては需要の増加をもたらす金融緩和政策は間違っていない。

それはこの間の一連の動き、「株価下落→FRBのマーケットフレンドリー(友好的)な姿勢への変化→株価急反発」――によって証明されている。リーマン以降、FRBは人々が禁じ手と思えるような量的金融緩和を行い、それが今の株高をもたらした。

株高は禁じ手の結果もたらされたものであり、持続性がない上、不健康なものだという凝り固まった信念が一部の人々に共有されている。18年の株価急落はそうした議論を正当化するように見えた。しかし、フレンドリーな金融政策は変わりようがないということが、悲観論者たちにとっては不都合な、楽観論者たちにとっては好都合な真実なのである。

米中問題も不透明さは早晩消えていく

米中問題も早晩不透明さは消えていくだろう。閣僚級会談が進行し、中国はかなり米国に譲歩する姿勢を見せている。また、中国では海外企業の投資規制、出資規制の緩和も進行している。著しい相互依存の米中には通商関係を遮断する決裂という選択肢はない。

中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席には、国内の経営マインドの悪化、景気後退のリスクの高まりという心配があり、米中の対立を放置できない。20年の米大統領選挙に再選するため、手柄が欲しいトランプ氏も同様である。中国の国内における設備投資、エレクトロニクス投資の大幅な減少は貿易戦争勃発以来予期されていたことである。それは中国が世界の工場であることを認めないというトランプ政権の政治的イニシアチブ(主導権)の延長線上にある。

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