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大学×プロチーム 「スポーツ経営」に強力タッグ 人材育成、若い感性活用で双方プラス

2019/2/8 日本経済新聞 朝刊

麗沢大は柏レイソルと連携し、学生がファン感謝デーなどのイベントに関われる機会を提供している

人気の看板授業がJリーグの地元チーム、柏レイソルとのプロジェクト型講義だ。麗沢大は17年、社員による学内講義やインターンシップ生の受け入れなどをテーマに教育連携協定を結んだ。ファン感謝デーやホーム開催でのイベント、年間シートの特典グッズなど、クラブから与えられた課題に対して学生が企画提案に取り組む。

授業としては経営学を基礎から学ぶほか、地域でのスポーツ指導やクラブ運営に必要な日本スポーツ協会公認の2資格取得が必須とした。豊嶋建広特任教授は「健康・福祉産業などより広い意味でスポーツ産業に携わる人材を育てるのが使命」と強調する。

クラブ側にも減りつつあった女性や若者の集客増に向け、学生の知恵を借りたい思惑があった。18年からは千葉ロッテマリーンズの柏市の後援会とも同様の授業を始めた。豊嶋特任教授は「点と点だったスポーツと経営の知識がつながり、線になるのを実感できるはずだ」と語る。

スポーツや健康産業にIT人材を輩出しようとしているのが神奈川工科大学だ。日本はスポーツへのICT(情報通信技術)の導入が遅れていることから、15年に情報学部にスポーツ情報科学コースを新設した。動作解析や生体計測などを通じて、情報機器の仕組みや情報処理技術を学ぶ。

情報学部には音声情報を解析するコースもあり、スポーツと音の関連を分析する「スポーツ音響学」という独自の学問分野も始めた。

山口県立大学では栄養学科の学生がJリーグのレノファ山口FCの18歳以下のチーム向けに栄養指導と調査を手掛ける。スポーツ栄養学に関心のある学生が年2回、体組成の測定や理想的な食事を調理し、栄養摂取について説明する。

■東京五輪・パラが追い風に

東京五輪・パラリンピック開催決定を追い風にスポーツ関連ビジネスは拡大している。政府はスポーツ市場を2025年までに12年比3倍の15兆円にする目標を掲げる。16年に示した「日本再興戦略」でスポーツ経営人材の育成・活用プラットフォームの構築も掲げられ、スポーツ関連の新学部・学科の設置が広がる。19年には全米大学体育協会(NCAA)を参考にした、大学スポーツの統括組織の新設も予定されている。

スポーツビジネスは地域振興の中核になりつつあり、地方創生にもつながる。選手以外にも専門性を生かしてスポーツビジネスでプロになり得る機会があると大学から発信することで、多くの分野から市場創出に挑戦しようという若者も増えるだろう。

(小柳優太)

[日本経済新聞朝刊2019年1月30日付]

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