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日本株探知機

企業の不祥事、突然発覚 株価の浮沈握る2つの要素 日本株探知機(4)

2019/1/31

優良株だけに集中投資すれば株式相場全体を大きく上回る運用成績が約束される――。こんなふうに考えている個人投資家は多いのではないのでしょうか。実際は逆です。優良株への期待値はもともと高いため、相場の平均値を上回ることはなかなかできないのです。むしろ、業績の悪化した銘柄だけをまとめ買いしてその後のリバウンドで高い利益を享受(リターン・リバーサル)する投資手法を実践するプロも数多くいます。リスク許容度だけではなく、リスクを見極める真の投資力がものをいうわけです。

翻って、個人投資家にはそんなまねはできないのでしょうか? 実は悪材料の出た銘柄に的を絞って高いリターンを狙う機会は日常的に見つけることができます。

それが上場企業の不祥事です。

製品・サービスの品質に関わる案件や、不適切な会計処理が発覚する企業など、そのパターンは様々で、しかも材料は毎日のように出ています。

「不祥事=売り」は投資家の初動作として正解でしょうが、不祥事後の株価は「復調型」「低迷型」「退場(上場廃止)型」などいくつかのパターンに分かれます。パニック後の浮沈を握る条件は何かをうまく分析できれば、プロさながらの大きなリターンを狙えるはずです。不祥事は企業ごとに特色があるのでニュースをしっかり読み込むことが欠かせません。

■気になる「リバウンド」

「ある上場企業A社が、取り扱う製品の品質データを改ざんしていたことが発覚。株価は急落した」。こんなニュースを読んだとき、個別銘柄の投資が好きなあなたはどう感じるでしょう。「A社の株価は今後リバウンドするか、しないか。どう見極めれば良いのか?」と思うかもしれません。

そう思う理由もわかります。というのは、不祥事が発覚した企業の中には、いったん大きく下がった株価が、その後V字回復する例もなくはないからです。

近年の例で代表的なのは不正会計が問題になった東芝です。株価は2016年2月に1550円まで下がりましたが、その後2年もしないうちに切り返し、19年1月時点でも3000円を超え推移しています。

少し前の例では同じく会計不祥事があったオリンパス。11年に424円まで下がった株価は3年後の14年には10倍超の4600円台まで上昇します。あくまで結果論とはいえ、このようなケースには注目してしまいます。

今後に備え、過去の不祥事銘柄の株価の動きを把握しておきましょう。

■発覚後の値動きを段階で区切ってみると…

典型的なケースでは、不祥事が発覚したあとの株価の動きはいくつかの段階に分けて考えることができそうです。

まず起こるのが「パニック」。売りが殺到し、株価が急落します。不確かな情報が飛び交う中、その企業への投資を控えたり株式を手放したりする投資家の動きが1カ月程度続きます。18年末には業務用冷蔵庫のホシザキが取引に関して四半期報告書の提出が遅れ、株価が急落しました。

次に「大底探し」です。株価が下げるだけ下げて、悪いニュースが出ても反応が小さくなります。18年11月にゴーン会長が逮捕された日産自動車の場合、株価は12月下旬を底に切り返してきました。いまは大底を探している時期なのかもしれません。

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