ドンドンと進化するスマートフォン。2018年は複数の焦点距離を持つカメラを搭載する機種も増加した。今回はケースと一体型になった外付け型のレンズ「ShiftCam」を紹介する。スライド式のレンズを備え、魚眼やマクロなど写る範囲をスムーズに変えての撮影が楽しめるのが魅力だ。
ShiftCamを装着したiPhone X。6つのレンズを備えるが通常のケースとほとんど変わらない外観となる ケース自体は一般的なものとほとんど変わらないが、レンズ開口部にスライド式の「Travel Lens Set」を装着できるところが特徴だ。写真のiPhone X用の場合、上段左から「120°広角レンズ」、「180°魚眼レンズ」、「10倍マクロレンズ」、下段が左から「2倍望遠レンズ」、もうひとつ「2倍望遠レンズ」、「20倍マクロレンズ」となっている。レンズのスライドと、iPhone側での本体のレンズ選択(iPhone Xでは上が標準レンズで下が望遠レンズ)でレンズを使い分けられる。レンズ部分をスライドさせるだけで簡単に好みの画角を得られるのだ。まるで複数のカメラを持つ機種のようにスムーズに撮影が楽しめるのである。
スライド式の「Travel Lens Set」を装着。上段左から「120°広角レンズ」、「180°魚眼レンズ」、「10倍マクロレンズ」、下段が左から「2倍望遠レンズ」、もうひとつ「2倍望遠レンズ」、「20倍マクロレンズ」となっている 100円ショップなどで売られている安価なクリップ式レンズも存在するが、レンズの中心同士を確実に合わせないとキチンと写らないのでキレイに撮るのは意外と難しい。こちらはケースにレンズを確実にマウントしており、クリック感があるスライド式を採用しているので、そういった心配も無用だ。脱着の手間もないし画質も高い。何といっても手軽である。
Pro Lensシリーズの「マクロレンズ」をつけたところ。半透明のフードで接写時も被写体が暗くならない また「Travel Lens Set」を外して、別売りの高性能レンズ「Pro Lens」シリーズを使うこともできる。ぜいたくな光学レンズを使用した「広角レンズ」、「望遠レンズ」、「望遠マクロレンズ」、「マクロレンズ」、「魚眼レンズ」がラインアップされており、スライド式なのでケースへの脱着も容易なのも変わらない。
レンズが付いたケースはほかにもあるが、これだけスリムで6つレンズが使える上、プロ向けのレンズもあり、プロの目から見て納得できる製品はこれくらいしかない。
システムでさまざまなレンズを楽しめる「ShiftCam」。機種変更をせずに手持ちのiPhoneに装着するだけで撮影領域が拡がるのが素晴らしい。
次ページで、ShiftCamを使った作例を紹介する。
■iPhone標準のレンズだけの場合
iPhone Xの1x撮影時。カメラを起動したデフォルト状態でシャッターを切った iPhone Xの2x撮影時。画面の「2x」アイコンをタップして2倍撮影モードで
■ShiftCamの写真
ShiftCamの180°魚眼レンズならこのようにワイド感溢れる写真が撮れる。後付けレンズのように出っ張らないのもいい ShiftCamの10倍マクロレンズだとモデルの眼にこれだけ肉薄できる。黒目の部分にShiftCamの6連レンズが写っているのがわかるだろうか iPhone Xを2xカメラにしてShiftCamの20倍マクロレンズを使うとここまでのクローズアップ撮影が可能だ。ネイルやフィギュアのアップなど、趣味の撮影で威力を発揮しそうだ ■Pro Lensの写真
Pro Lensシリーズを使うと1段上の画質が得られる、魚眼レンズを用いるとこのように周囲を広く写しとりつつ、モデルの表情もしっかりとおさえられた Pro Lensシリーズの望遠レンズはなかなかの描写だ。装着もスムーズなのでモデル撮影時でもテンポが乱れない。シャープな写りもいい Pro Lensシリーズのマクロレンズも優秀だ。モデルの魅力的な睫毛を克明に捉えてくれた。装着するだけで撮影領域を大きく拡げてくれるのがうれしい (モデル 佐藤ようか)
三井公一 iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影している。2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。http://sasurau.com/
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