日経PC21

Q.モバイルバッテリーの充電回数が思っていたよりも少ない

モバイルバッテリーや使用するケーブルなどによって異なるものの、実際に充電できるのはバッテリー容量のおおむね7割前後と考えよう。

スマホのバッテリーは大容量化が進み、最新の機種では3000mAh(ミリアンペアアワー)前後が標準となっている。3000mAhとは、3Aで1時間流せる容量という意味。同様にモバイルバッテリーも容量が決まっている。もし手元にあれば底面などを確認してみよう。mAhの記載があるはずだ。

市販のモバイルバッテリーの底面などには、たいてい内蔵する充電池の容量が記載されている。上の製品は1万50mAh、下の製品は1万mAhの容量を示している

例えば、1万mAhのモバイルバッテリーから3000mAhのスマホに充電するとする。数字だけ見て「3回は余裕」と考えると、これは大きな間違いだ。モバイルバッテリーに内蔵されているリチウムイオン電池の電圧は3.7V。これをUSBの電圧である5Vに変換する回路や、ケーブルの電気抵抗、端末側の充電回路などで必ずロスが発生する。

モバイルバッテリーやスマホのバッテリーで用いられるリチウムイオン電池の定格電圧は3.7Vだが、充電時には5Vに変換する。この変換処理に加え、ケーブルの抵抗値が高いほど損失が増え、スマホ側で充電する際にもロスが発生する

充電時には、バッテリーやケーブル、端末がほんのり熱くなる場合が多いが、これは電力をロスしている証拠だ。

Q.充電専用ケーブルは何が違うの?

スマホ用のUSBケーブルの中には「充電専用」をうたうケーブルがある。このケーブルでスマホをパソコンに接続しても、データの転送や同期はできないので注意が必要だ。文字通り、充電しかできない。

充電専用ケーブルのメリットは、最大1.5Aで給電できる「USBバッテリーチャージ(BC)」の機能が有効になり、充電が速くなる場合があること。充電専用ケーブルは、配線を変更することでパソコンを「充電器」として認識させ、USB BC規格での充電を可能にする。主にアンドロイド端末で効果を発揮する。

ただし充電専用ケーブルは、USB充電器やモバイルバッテリーが備える急速充電規格「クイックチャージ」には対応していない。パソコンのUSB端子を使って、少しでも速くアンドロイド端末を充電したい人向けだ。

通信・充電対応のUSB ケーブルには、電力用とデータ用が配線されている(左)。対して充電専用はデータ用が短絡され(右)、端末側が通常のUSB 端子を「充電器」と認識してUSB BCが有効になる

Q.端子を変換して使っても大丈夫?

最近はタイプC端子を採用する機器が増えてきた。これまで主流だったUSBマイクロBのケーブルを持っているユーザーも多いだろう。古いケーブルも端子を変換して充電に利用することが可能だ。

下図で示したように、タイプAとマイクロB端子はタイプCへの変換がUSBの規格で策定されており、「使用上は問題ない」(アンカー・ジャパン)という。

なお、ケーブルの両端をタイプCに変換しても、ケーブル自体の機能は元のケーブルのままなので注意したい。タイプCで使えるUSB PD(USB Power Delivery。USBポートを介して短時間で充電できる最新給電規格)など、特別なケーブルが必要なタイプCの機能には対応しない。

タイプAとマイクロBからタイプCへの変換は規格として策定されている(上)。下は、マイクロBをタイプCに変換するアンカー・ジャパン製のコネクター。実売価格は2個セットで799円(税込み)

[日経PC21 2019年3月号掲載記事を再構成]

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