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時速換算で300キロ以上 ドラキュラアリの顎パワー

日経ナショナル ジオグラフィック社

2019/2/8

ナショナルジオグラフィック日本版

オーストラリアや東南アジアには「ドラキュラアリ」と呼ばれるアリが生息する。このアリの仲間が、時折、自分たちの幼虫の血を飲むことから付いた名だ。

Mystrium camillaeという種のドラキュラアリは、人間が1回まばたきをする間に、なんと5000回も顎をかみ合わせられるほどの速さを誇ることが、このほど研究でわかった。

2018年12月12日付けのオンライン学術誌「ロイヤル・ソサエティ・オープン・サイエンス」に掲載された論文によれば、この吸血アリは最も速い動きを実現できる生きものということになる。

興味深いことに、ドラキュラアリの記録破りのかみつきは、ちょうど人間が指をパチンと鳴らすときのように、顎がたわむほど強い力をかける単純な仕組みで実現している。片方の顎にばねのようにたまったエネルギーを、一気に開放するのだ。

これで、時速に換算すると最速で300キロ以上という驚異的なスピードとパワーが生まれるのだ。ちなみに、この速さは人間の指パッチンのおよそ1000倍だ。

実は、シャコのパンチやアワフキムシのジャンプなど、動物の中でも体を驚異的な速さで動かせる動物はいる。

ドラキュラアリの「スナップ」の特徴は、その中でも速いということだけではない。「その仕組みがシンプルなことです」と話すのは、米スミソニアン国立自然史博物館の昆虫学者で、論文の筆頭著者でもあるフレドリック・ララビー氏だ。

他の動物は、掛け金、ばね、引き金などにあたる様々なパーツを通して、高速で動く器官にエネルギーをためる。

「一方、ドラキュラアリでは、ばねと掛け金が高速で動く器官にじかに付いているのです」とララビー氏は言う。

(日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック 2019年12月18日付記事を再構成]

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