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食の達人コラム

料理ごとに合わせ新しい魅力 広がる日本酒ペアリング 世界で急増!日本酒LOVE(7)

2019/2/1

外国人も多く集まる「赤星とくまがい」

酒と料理のペアリングを楽しめる店が増えている。日本酒とのペアリングの店「赤星とくまがい」(東京・麻布十番)は外国人客にも喜ばれる提案をする店として有名だ。米ニューヨーク帰りの2人、酒ソムリエを務める赤星慶太氏とシェフの熊谷道弘氏がタッグを組んだ日本酒バーの魅力を紹介する。

「外国人にワインと同じ感覚で日本酒を楽しんでもらうには、酸を中心とした説明をしながらペアリング提案することが大事だと思います」と話す赤星氏。1998年から約18年間、ワイン文化の定着しているニューヨークで日本酒を売る仕事をしていた。その経験から、従来の外国人への日本酒の勧め方、つまり大吟醸酒・純米酒といったカテゴリー分けや、「獺祭」や「新政」など外国人に人気の特定銘柄だけを訴求していては、「日本酒の価値をなかなか理解してもらえない、本当の日本酒ファンは増やせない」と考えているからだ。

「酸とは飲んだ後のキレのこと。後味の余韻のこと」と赤星氏。ワインを味わう文化が根付いている欧米では、酸をベースにその味のタイプを理解する。だから赤星氏は現在も「温めるとおいしいコハク酸と乳酸、冷やすとおいしいりんご酸とクエン酸…」と酸の種類や特徴を常に意識して提供している。

イチゴたっぷりのフォアグラのポワレはコースの一部

だから同店では、デザートにあえて辛口の日本酒を合わせることもある。キレのいい辛口と合わせる意外性や驚きで、「こんなペアリングもあるの?」と衝撃を与えるのだ。その絶妙なペアリングに外国人客を始め、日本人客も感動するという。

現在、客の半分は外国人。ニューヨーク時代に出会った食通の米国人が来日する際に立ち寄るほか、その紹介でくる米国人客などが多い。最近ではメディアに取り上げられたこともあり、30~40代の日本人女性客にも人気だ。女性客は全体の6割ほど。通りすがりの客ではなく、「ペアリングを楽しみたい」とはっきり目的を持つ客が多いという。

料理はコース1種のみ。バーとは言え、しっかり食事を楽しめる。月替わりの「赤星の日本酒ペアリング」(コース8品、ペアリング込みで1万3000円、税別)はイタリアンをメインに和・洋・中とジャンルを超えた料理で、赤星氏が皿ごとにペアリングを提案する。アルコールの強さや好みにもよるが、料理に合わせて8種前後の日本酒を少量ずつペアリングする。途中で必ずぬる燗(かん)や熱燗も提供するので、様々な日本酒とのペアリングを発見できる。そのスタイルが外国人客にも大好評なのだ。

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