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「死後は所有する山に散骨してほしい」 法的に可能? 弁護士 志賀剛一

2019/1/31

写真はイメージ=PIXTA
Case:49 自分の墓のことを考え始めています。夫とは離婚しており、独立した子どもがいますが、負担をかけたくないので、最近耳にする樹木葬や散骨もいいかなと思っています。しかし、これも案外費用がかかるようなので、親から相続して所有している田舎の里山にでも埋葬か散骨してほしいと考えています。法律上問題ないでしょうか。

■土葬、法律上は禁止されず

「子や孫に負担をかけたくない」「葬式もお墓も不要」。少子高齢化・核家族化が進む中で、葬儀やお墓に対する考え方が多様化してきており、死んだ後は自然に還(かえ)りたいという希望とも相まって、従来のように遺骨を墓に納骨するのではなく、樹木を墓標とする樹木葬や散骨といったいわゆる「自然葬」と呼ばれる埋葬方法を選択する人が徐々に増えています。先日亡くなられた女優の市原悦子さんも夫の隣の樹木葬墓地に眠ることになったと報じられましたね。

自然葬は何となく個人でもできてしまいそうですが、法律上様々な規制があります。

まず、「墓地、埋葬等に関する法律(墓地埋葬法)」というそのものズバリの名前の法律があります。墓地埋葬法によれば、「埋葬」とは、死体を土中に葬ることと定義されています。

あれ? と思われる人もいるかもしれません。そうです、これは土葬のことですね。日本では火葬が原則ですが、法律上、土葬が禁止されているわけではありません。しかし、東京都や大阪府などの都心部では、条例などで土葬を禁止している地域があったり、墓地の運営主体がいずれも土葬を禁止する規定を自主的に置いてたりするなどの理由で、土葬はほとんど行われていないのです。

■墓地以外への埋葬・埋蔵はできず

話がそれましたが、墓地埋葬法では死体を葬るために焼くことを「火葬」、火葬後の骨を墓に埋めることを「埋蔵」、納骨堂に入れることを「収蔵」、死体を埋葬し、または焼骨を埋蔵する施設を「墳墓」、墳墓を設けるために墓地として都道府県知事の許可をうけた区域を「墓地」と定義づけています(前述のとおり、この法律の「埋葬」は土葬のみを指しており、一般的な用語の「埋葬」とは異なりますが、今回のコラムではこれにこだわらず、埋葬という言葉を使っていきます)。

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