シューズは厚底か薄底か 日本人ランナーに合うのは?

身一つで走りつづけるランナーにとって、シューズは数少ない必需品。最近のものは機能性だけでなくデザインもいろいろだ。どうせなら自分にぴったりの品を身につけたい。日本陸連のランニング普及部長で国際武道大の前河洋一教授は、シューズ選びで失敗しないために「自分の走りのレベルと靴の性能を理解することが大切」と語る。

ナイキの厚底は「前足部着地」向き

トップアスリートが好記録を連発するナイキの厚底シューズは市民ランナーにも魅力的だが、誰もがその恩恵にあずかれるわけではなさそうだ。フォアフットを会得していなければ、特殊な素材の構造で生み出される前への推進力を最大限得られないという。

前河教授は「時代の流れもあって、そういう走り方をするランナーも増えているが、普段から鍛えていないと難しい。衝撃に耐えられる脚でなければいけない」と語る。前足部から着地すればアキレスけんからふくらはぎにかけて突っ張る形になり、負担も大きい。マラソンのような長距離になれば故障のリスクも高まるだけに、経験の浅い人は注意が必要だ。

試し履きしたときのフィット感は購入の判断基準になるが、安全に楽しむためには自分の走りを理解することも大事。メーカーやスポーツ用品店によっては足型や走り方を分析するサービスがあり、これを利用してもいい。接地の特徴やつま先の向き、着地したときの脚の傾きを診断してもらうことは「相棒」と出合う近道だ。タイプ別にラインアップをそろえているメーカーは多く、店員の情報も参考になるだろう。

一般的に、ランニングを純粋に楽しみたいランナーには、足を守るために衝撃を吸収するクッション性の高いシューズがお薦め。前河教授は「靴だけに頼るのではなく、サポートしてくれるものというくらいの認識でトレーニングすることが大事。(靴選びは)自分のフォームを見つめ直す機会にもなるし、モチベーションも上げてくれるので、その過程を楽しんでほしい」と語る。

(渡辺岳史)

[日本経済新聞朝刊2019年1月28日付]

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