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市販薬買う人は要確認 対象品は1万2千円超で税還付 確定申告のポイント(2)

2019/2/1

1年間にかかった医療費が10万円を超えると税還付を受けられる医療費控除。通常は確定申告をする必要がない会社員にとってもなじみ深い制度だ。これとは別に少額の医療費でも還付を受けられる特例(セルフメディケーション税制)が昨春の確定申告から始まっており、こちらは詳しく知らない人が多いようだ。2つの制度を上手に使い分けて還付額を増やせるケースがあるので見ていこう。

従来の医療費控除は、10万円を超えた分(所得が200万円以上の場合)を所得から控除できる仕組み。医療費が13万円なら3万円を控除でき、適用税率が20%の人であれば所得税6千円が還付される。病院で払った診察・治療代、通院時にかかった交通費、ドラッグストアで買った市販薬代など控除対象は幅広い。

一方の特例制度は市販薬のうち、一部の製品だけを対象とする。もともと医師が処方していた薬を一般向けに転用した「スイッチOTC」と呼ばれる医薬品だ。購入費が1万2000円を超えた場合、超過分を控除できる。従来の医療費控除に比べて金額面でハードルが低く、より多くの人が対象になりうる。2021年分までの時限的な制度として設けられている。

対象となる製品は胃腸薬のガスター10、頭痛・生理痛薬のロキソニンSなど約1700品目。厚生労働省のサイト内に一覧表がある。製品のパッケージに識別マークが印刷されていたり、薬局のレシートに星印がついていたりするので、保管している人は確認可能だ。

2つの制度は併用できず、どちらかを選んで申告する。医療費が10万円に満たなかったという場合は特例制度の活用を考えよう。健康診断や予防接種を受けるなど病気予防に取り組んでおり、証明できる書類があることが条件だ。

医療費が全体で10万円を超え、スイッチOTC医薬品を1万2000円超購入した場合はどちらの制度でも申告は可能。所得から控除できる金額が大きいほうを選ぼう。

浅野恵理税理士によると「医療費が18万8000円を超えていれば、控除額の上限が高い従来制度を選んだほうが計算上有利だ」。医療費が18万8000円以下なら、それぞれの制度で控除可能な金額を計算して決めよう。

例えば医療費が13万円、うち6万円はスイッチOTC医薬品の購入費だったとする。従来制度による控除額は10万円を超える分の3万円。特例制度による控除額は1万2000円を超える分の4万8000円。この例で比べると特例を選んだほうが有利だ。

共働き夫婦の場合、それぞれ申告することは可能だが、「適用税率が高いほうが、2人分まとめて申告すればほとんどの場合、還付額は多くなる」(藤曲武美税理士)。

医療費は自分だけではなく、一緒に生活する家族がかかった分を忘れずに合算しよう。申告時には「医療費控除の明細書」を作成して提出する。領収書は提出義務はないが保存しておく必要がある。

[日本経済新聞朝刊2019年1月26日付]

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