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飲酒が高める骨折リスク ビタミンEの摂取で予防 飲酒と骨粗しょう症(下)

日経Gooday

2019/2/17

お酒を飲むと顔が赤くなる人は大腿骨近位部骨折のリスクが高いという。何か対策はないのだろうか。画像はイメージ=(c)decade3d-123RF
日経Gooday(グッデイ)

「転んで、骨折して、そのまま寝たきり…」という恐怖のコースは誰しも避けたいもの。そこで気になるのが骨粗しょう症だ。実は、骨粗しょう症による骨折リスクは飲酒と関わりがある。また、お酒で顔が赤くなる人は骨折リスクが高いという。

では何か打つ手はあるのだろうか――。「飲酒と骨粗しょう症」の後編となる今回は、酒ジャーナリストの葉石かおりが、骨折リスクを下げるために飲酒面や日々の食事などで気をつけるべきことを、慶應義塾大学医学部整形外科学先進運動器疾患治療学寄付講座の運動器科学研究室室長の宮本健史さんに聞いていく。

◇  ◇  ◇

「寝たきり」につながるリスク要因として、近年大きな問題となっている「骨折」。そしてシニアの骨折と深く関わっているのが「骨粗しょう症」だ。前回「お酒で顔が赤くなる人は、飲酒なしでも骨折リスク上昇」では、宮本健史さんに飲酒と骨粗しょう症の関係について聞いた。

宮本さんたちの研究により、ALDH2(アセトアルデヒド脱水素酵素)の活性が低い人、いわゆるお酒を飲むと顔が赤くなる人(全くお酒が飲めない下戸の人も含む)は、骨粗しょう症による大腿骨近位部骨折のリスクが高くなることが明らかになっている。お酒に強い人に比べて、骨折リスクは2.5倍にもなるというから恐ろしい(詳しくは前編「お酒で顔が赤くなる人は、飲酒なしでも骨折リスク上昇」を参照)。

この研究は普段ほとんどあるいは全くお酒を飲まない人を対象にしたもので、お酒で顔が赤くなる人は、お酒を飲まなくてもリスクが高いのだという。さらに、お酒を飲めばそのリスクはさらに上がる。また、お酒に強く、顔が赤くならない人でも、大量飲酒の習慣がある人はやはりリスクが高まるという。

ショック…。お酒を飲む飲まないにかかわらず、リスクが高いというのでは救いがない。取材前から多少覚悟していたが、実際に話を聞くと予想以上に影響が大きい。

そんな気落ちする私に宮本さんは、「リスクを下げる手立てはあります」と話してくれた。後編となる今回は、骨粗しょう症のリスクを抑える具体的な対策を宮本さんに聞いていこう。

■適量飲酒を心がけよう

最初に、酒量について確認しておかねばなるまい。先生、骨粗しょう症のリスクを下げるには、やはりアルコールの総量を減らすのはマストなんでしょうね(涙)。

「はい、前回も説明したように、元凶はアセトアルデヒドにあります。野菜などの摂取による微量摂取でも影響があるわけですから、お酒を飲めばアセトアルデヒドがより多く生じ、その影響を受けることになります。当然、酒量を抑えたほうがリスクを下げることができます」(宮本さん)

「まずは、適量飲酒(純アルコール換算で1日20g:1単位)に抑えることです。お酒の飲み過ぎは、骨粗しょう症に限らず、健康面でさまざまな悪影響を及ぼすことはご存じだと思います。そうした観点からも、飲むなら適量を意識することを第一に考えてください」(宮本さん)

本シリーズで繰り返し紹介してきたように、純アルコール換算で20gとは、日本酒なら1合、ビールなら中瓶1本、ワインならグラス2杯程度だ。実際のところ、飲める人(顔が赤くならない人)なら、飲み始めるとなかなか1合で終わりというわけにはいかないことが多いが、そんなときも3合未満に収めていただきたい、と宮本さん。もちろん、顔が赤くなる人なら、よりお酒を抑えたほうがいいのは言うまでもない。

また、アルコールには利尿作用があることも広く知られている。これも悪い影響があるという。尿と一緒にカルシウムを体外へ排出してしまうのだ。そういった面からも、酒量は抑えたほうがよさそうだ。宮本さん曰く、アルコールの他、コーヒー、紅茶など利尿作用のある飲み物は同じ作用があるという。

■ビタミンEの抗酸化作用が骨芽細胞の機能不全に効く?

「アルコールの摂取量を減らす」ことを地味に実践するのを基本にしつつ、他に骨粗しょう症リスクを下げるためにできることはないのだろうか。

そう尋ねると、宮本さんは「実は、同じ論文[注1]で、対策についても載せていまして…」とおもむろに話し始めた。

[注1] 宮本さんたちは、「お酒で赤くなる人は骨粗しょう症による大腿骨骨折を起こしやすい」ことを報告する論文を2017年3月に発表している(Sci Rep. 2017 Mar 27;7(1):428. doi: 10.1038/s41598-017-00503-2.)。詳しくは前編「お酒で顔が赤くなる人は、飲酒なしでも骨折リスク上昇」を参照。

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