『ハケン占い師アタル』の杉咲花、豹変シーンに緊張
"働き方改革"が課題となっている昨今。『ハケン占い師アタル』(テレビ朝日系)は、業務の効率化だけでは片付かない働く人たちの悩みを、特殊能力を持つ派遣社員・的場中が占いで解決していくコメディー作品だ。『家政婦のミタ』(2011年)などで知られる脚本家・遊川和彦の新作であり、今回は演出も担当している。主演の杉咲花は遊川作品にどう取り組んでいるのか。
「私は小さい頃からドラマが大好きで、ずっと志田未来さんに憧れてきましたが、中でも特に好きだったのが、遊川さんの『女王の教室』(05年)だったんです。だから今回遊川さんとご一緒できて、しかも志田さんとも共演できるということで、とてもうれしかったです。台本を読んだときは、現代の働く人たちが共感できるポイントが詰まっていると感じました。
現場では、遊川さんがドラマを撮ることをとにかく楽しんでいらっしゃるのが伝わってきて、それが周りにも伝染しています。ドラマだと時間に追われてしまうこともありますが、1シーンごとにこだわりを持って作っています。
共演しているみなさんは優しい方ばかり。小澤(征悦)さんがムードメーカーで、面白いことばかり言うので、笑いをこらえるのが大変。みんな仲が良くて、セッティング中とかでも誰も楽屋に帰らず、スタジオの前室で円になって待っているんですよ(笑)」
豹変する占いシーンで緊張
『花のち晴れ~花男 Next Season~』(18年)に続き、連ドラ主演は2回目。スケジュール的な厳しさは経験済みだが、アタル役には不安もあったという。
「ここまで明るいキャラクターはこれまでにやったことがなくて。それに学生の役が多かったので、制服を着ない社会人の設定というだけでそわそわして、通勤シーンとかは不思議な感覚でした。
悩んだのは、占いのシーンです。急にアタルの人格が豹変(ひょうへん)するのですが、どこまで振り切ればいいんだろうって。先日初めて撮ったときにはすごく緊張しましたが、無事に終わってホッとしました。
まだ遊川さんのなかでも、これからアタルがどうなっていくのかは決まってはいないみたいなので、試行錯誤できればと思っています。コメディーの難しさを日々痛感していますが、みなさんと呼吸を合わせて作っていきたいです」
(ライター 内藤悦子)
[日経エンタテインメント! 2019年2月号の記事を再構成]
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