また、成功確率が低い場合はなおさらです。1回やってみただけでは成功という実績は得られませんが、回数を試すことで成功しやすくなることは当然です。

もちろん失敗した際には低い成功確率に甘んじることなく、成功確率を高めるための改善をすることで、さらに成功する確率は高まります。このような活動はマーケティングなどでは当然のように行われていることですが、自分自身の仕事、という観点ではなかなか実践できていない人が多いでしょう。

それはマーケティングの場合だと、顧客の購買金額など、わかりやすい結果が目に見えるからです。しかしたとえば上司に任された仕事でしっかり実績をあげられたかどうかは見えづらいことが大半です。

そうすると「長時間かけて一つの仕事をじっくり進める」という行動が促進されてしまいがちです。

それよりも大事なことは「短い時間で多くの仕事を進めていく」という行動です。このほうが実績は得られやすくなるのです。そうして実績をたくさん積んだ人のほうが出世しやすくなるのは当然のことです。

試行回数を増やす環境を整備する

「長時間かけて一つの仕事をじっくり進める」という行動が、会社の部長や課長といったおじさん世代に受けが良いのは事実です。なぜなら彼ら自身がそういう仕事の進め方で成長してきているからです。

けれども仕事の進め方は、ITの進化で大きく変わりました。

たとえば私の本業である人事制度設計でも、一つ一つの作業期間がとても短くなっています。たとえば「成果を出している従業員の行動特性を調査するためのアンケート」について、10年ほど前なら1カ月ほどもかけて調査票の配布、回収、集計、分析を行う必要がありました。けれども今ならクラウドシステムを使って、1週間あればできてしまいます。

私たちは自分の仕事を改めて振り返り、どうすれば実績を増やせるのかを考えなくてはいけません。そしてそのために、試行できる回数を増やすための準備をすることがとても大事なのです。

平康慶浩
 セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント。1969年大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所をへて、2012年から現職。大企業から中小企業まで130社以上の人事評価制度改革に携わる。高度人材養成機構理事リーダーシップ開発センター長。

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