行事参加に負担感
何かあったときに心強いのはママ友のネットワークだ。
「保育園は暴風警報が出たときのみ休みだったのが、小学校や学童は大雨洪水など警報による休校が増えました。保育園時代のママ友と、順番に休みを取って子どもを見るなど協力し合って乗り切りました」
「子どもが学童の後に友達と遊ぶ約束をする。帰ってくるときは外が真っ暗なので心配。お友達のママと、とにかくLINEで連絡を取っています」
小学生になると、帰宅後に宿題をさせたり、勉強を見てあげなくてはならないことも増える。さらに、日中のPTAや個人面談、行事などへの参加もある。
「個人面談の日時の連絡がギリギリにくる。平日の日中に多い行事も、日程の連絡がギリギリ。保育園では年間行事予定があったので、小学校のギリギリ具合にビビりました。これに対しての解決策はまだ見つからず……」
「学校、学童、保育所のお便りや準備だけで頭がこんがらがってるのに、それぞれのPTAと保護者会の行事までが盛りだくさん過ぎて……。学童の行事は今から思えばパスしてよかったかもしれませんが、そのときはそんな雰囲気ではなかった。優先順位を考えてもよかったかも」
慣例になっているPTAや保護者参加の行事などは、必要性を疑問視する声も少なくないのだ。
夏休みの問題を挙げるコメントもあった。
「夏休みが一番のヤマでした。学童は午前9時始まりなので、親より後に子どもが鍵をかけて出掛けないといけなかった」
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話を聞いていくと、「小1の壁」の乗り越え方のポイントは次の4つにまとめられる。
1.ママ友ネットワークの活用
子どもの交友関係の状況はもちろん、学校行事や学校からのお知らせなど、子どもから伝わってこない場合はママ友ネットワークを使って確認することも少なくない。
2.情報を集め、可能なサポートを上手に使う
学童やファミリーサポート、病児保育、(もちろん近隣にいれば)祖父母の協力など、使えるものは上手に活用して体制をつくる。
3.夫婦で相談して対処
コメントをくれたパパは、近所の人に打診したりファミリーサポートの手配をしたりと、夫婦で相談しながら対処したという。ママだけがやり繰りや手配をするのではなく、パパも一緒に考えて動いてくれると心強い。
4.状況に応じて働き方や仕事量を調整
コメントにもあったが、子どもも親も新しい状況に慣れるまでの間、仕事をややスローペースにしたり働き方を調整することも考える。夫婦で時期や曜日を決めて子どものケアをシェアしたり、一定期間はどちらかがメインとなってケアをするなどだ。
一方で、「小1の壁」を特に意識しなかったというママやパパも少なくない。心配し過ぎるよりも状況に応じて子どもと相談し、対応策を考えてクリアする。これは、小1の壁に限ったことではないだろう。
ただ、コメントにもあったように、子どもが不安定になると親自身も仕事に打ち込めなくなる。親子共に新しい生活に慣れるまでの2~3カ月間は、子どもと十分なコミュニケーションを取れるよう仕事を詰め込み過ぎず、在宅勤務などの可能性も含め働き方を見直すことが大切だろう。
「小1の壁」をきっかけに、再度、働き方や子どもとの時間の取り方を見直してはどうだろう。
子育てアドバイザー、育児情報誌miku編集長。資格は保育士、幼稚園教諭2種ほか。リクルートで学校・企業情報誌の編集に携わり、妊娠・出産を機にフリーに。NPO法人ファザーリング・ジャパン理事ほか。著書は「感情的にならない子育て」(かんき出版)ほか。3児の母。