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神田沙也加 ミュージカル当たり役「エル」に再び挑む

日経エンタテインメント!

2019/1/29

大ヒット映画『キューティ・ブロンド』(2001年)がミュージカル舞台化されてブロードウェイで初演されたのは07年。日本では17年に神田沙也加の主演で初演されたところ、東京公演が完売。大阪公演の千穐楽で早くも再演が告知されるヒット作となった。その待望の再演が、2月11日からシアタークリエで始まる。主役のエル・ウッズを演じる神田に、作品の魅力や昨今のミュージカルブームについて話を聞いた。

『キューティ・ブロンド』は2月11~28日まで、シアタークリエにて上演(写真:松川忍)

『キューティ・ブロンド』のあらすじを簡単に紹介しておこう。おしゃれと恋のことで頭がいっぱいの女子大生・エルは、婚約間近だった彼氏に、「議員を目指す僕の妻に、ブロンド(金髪)の君はふさわしくない」とふられてしまう。これをきっかけに一念発起。猛勉強の末、ハーバード大学のロースクールに合格し、弁護士を目指す。

神田は、自らの個性を貫きながらもブロンドにまつわる偏見を痛快に吹き飛ばしていくエル役をはつらつと演じた。「『キューティ・ブロンド』は、急に歌い出したり、踊り出したりするミュージカルの特性を存分に生かし、そこが見どころになっている作品だと思います。例えば冒頭の楽曲では、エルが失恋し、何かに気づき、ハーバードのロースクールに合格するまでの状況の変化やエルの思いを、スピード感たっぷりに、歌、ダンスで表現しています」

「きっと爽快に感じてもらえるはず」と笑顔を見せる神田が演じたエルは、初演時、「はまり役」と評判を呼んだ。このエル役で17年度の第43回菊田一夫演劇賞を受賞している。

「『エルにぴったり!』と言っていただけることはとても光栄なのですが、実は私自身はエルとは全然似ていないんです(笑)。ブロードウェイでもこの作品を見ていますが、そのときは自分が演じるとは想像もしていなかったんです。エネルギッシュすぎて(笑)。いつだってポジティブなエルとは違い、私は考え込んでしまうタイプ。エルを演じるにあたっては、だからこそ、とにかく動いてみることにしました。真逆だからこそ、演じやすいという部分もあったかもしれません。役づくりに関して迷いはありませんでした。演出家の上田一豪さんに、『僕はこの作品を神田沙也加の当たり役にしたいと思っている』とおっしゃっていただいたこともうれしかったですし、励みになりました。役者としてとても幸せなことです」

日本人の感覚で、キュートと思っていただけるか

『キューティ・ブロンド』初演の舞台より(写真提供/東宝演劇部)

ブロードウェイの俳優が演じていたエルは、「すごく明るくてパワフルで、とてもアメリカンなテンション」だった。「でも、私が見ていただくのは日本のお客さま。アメリカと同じテンションで演じたら、『ものすごくテンションの高い女の子が出ている作品』で終わってしまうのではないかという懸念があって。日本人の感覚で、いかにキュートだと思っていただけるかが課題だなと思っていました。東京公演の初日、1幕が終わったときに、これまでにない熱量の喝采をいただいて。あの光景はいまもはっきり覚えています。もしかしたらエルと似ていない私が演じることで、日本人向けに少しアレンジできたのではないかな、とも思っています」

多くのファンに待ち望まれての再演となるが、気負いはないという。「初演から2年。その間、お客さまもいろいろな作品を見ていらっしゃると思うんです。再演を楽しみにしてくださっている方が多いぶん、初演と同じエネルギーのままでいくと、『あれ、こんなものだったかな』と思われてしまうのではないかという心配はもちろんありますが、キャストも一部変わりますし、その新鮮さとともに、『お待たせしました!』という気持ちで胸を張って再演に臨みたいです」

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