バレンタイン目前 注目の「第4のチョコ」ルビーとは
バレンタインデーに向けてさまざまなチョコレートが店頭を彩っている。今年一番の注目は「ルビーチョコレート」だろう。ベルギーのカレボー社が2017年9月に発表、ダーク、ミルク、ホワイトに続く「第4のチョコレート」として注目されているルビーチョコレートだが、単なるピンク色のチョコとは違う。いったいどんなチョコレートなのか?
カカオが持つ天然の味
ルビーチョコレートを口にするとベリー系の酸味を感じる味わいが広がる。だが、このチョコには何も味をつけておらず、ピンク色になるための着色料も使用していない。すべてカカオ豆から生まれた味わいなのだ。
バリーカレボージャパンのパスカル・ムルメステール社長によると、「ルビーチョコレートに使われるカカオ豆はエクアドル、ブラジル、コートジボワールの3カ国から調達している」という。特別な品種があるわけではなく、収穫時に、ルビー色でフルーティーなチョコレートになる物質を豊富に持っているカカオ豆を選別。そこから長年の研究開発にもとづいた繊細な発酵プロセスを経て、製菓用チョコレートを作り出すという。
「ラズベリーもストロベリーも使っていない、純粋なカカオ豆が持っている天然の味は、ダークやミルクチョコレートにはない独特の味わいです。シャンパンや日本酒など、お酒にも合い、多くの可能性を持っています」(ムルメステールさん)
ルビーチョコレートをピンク色に着色したチョコレートと区別するため、カレボー社では商品レシピを確認のうえ、同社の「カレボー ルビーチョコレート RB1」を使った商品には「カレボー ルビー」ロゴを提供している。
ホテルやメーカーが続々採用
このバレンタインシーズン、エーデルワイス、ユーハイム、ローゼンハイムなどの全国に店舗を持つメーカー、ウェスティンホテル東京、ANAインターコンチネンタルホテル東京などのホテルが、ルビーチョコレートを使った商品をラインアップに加えた。
「従来のチョコレートのような苦み、コク、深みではなく、シンプルにさっぱりとしたチョコレートの味がする」というのは、新商品にルビーチョコレートを使用した第一ホテル東京のパティシエの柿澤朗さん。「これまではフルーツを混ぜ込むなどして作っていたベリー系の酸味を、混ぜたり加工したりしなくても出すことができるのがいい」とその魅力を語る。
まだ日本ではメーカーが開発した商品が市場に並び始めたばかりだが、華やかな色と酸味は料理の可能性を広げる新たな素材としても注目されている。どんなチョコが出てくるのか。
(文・写真 北本祐子)
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