ボールペンにもかかわらず、筆圧やペンの角度によって、線の太さが変えられる。これにより、従来のボールペンではできなかった、トメハネハライといった、日本語の文字の表現が可能になった。

さらにペン先が柔らかい素材でできていて、書き続けていると削れてくるのだが、書く人の書き癖に合わせて削れるため、書くほどに手になじんだ書き味になっていく。

そのソフトな書き味や、軽く書いてもクッキリとした文字が書ける性能は、他のボールペンにはなかったもの。その使い勝手や書き味が斬新過ぎて、今はまだ「いまだ知る人ぞ知るボールペン」といった位置付けなのだけれど、それだけ新しい筆記具だということでもある。

筆圧を掛けるとボールを支える部分が広がり、太い線になる
筆圧でインクの量がコントロールできるので、トメハネハライの表現もしやすい

早く乾き、紙も選ばず

新しい筆記具という点で忘れてはいけないのが、ゼブラの「サラサ」シリーズだ。ベースとなるのはゲルインクボールペンの「サラサクリップ」だが、そこから派生して、様々な「書く」シチュエーションに合わせた製品を投入している。

例えば「サラサドライ」は、名前の通り、速乾性のサラサだ。

ゼブラ「サラサドライ」、150円。元々、乾きが速いゲルインクの速乾性をさらにさらに向上。カラーコピー用紙などにもしっかり書けるのもポイント

ゲルインクは乾くのが遅いインクではないけれど、それでも書いた直後に指で擦ると流れるし、ツルツルした紙に書くと乾きが遅かったりはした。それを解決するインクを開発して搭載したのが「サラサドライ」なのだ。これが、本当に速く乾く。さらに、ツルツルした紙でも素早く乾くようにしたことから、カラーコピー用紙など、ボールペンのインクの乗りが良くなかった紙でさえ、「サラサドライ」だとクッキリとキレイに書ける。つまり、速乾性でありつつ、書く紙を選ばない筆記具になっているわけだ。

一方、「サラサスタディ」は、インクが入ったリフィルに残量が分かる目盛りが付いている製品。目盛りを見ればどのくらい書いたか、つまりどのくらい勉強したかが分かるボールペンなのだ。

※ゼブラ「サラサスタディ」。150円。自分がどのくらい書いたかをインク残量で知るための目盛りが付いている
リフィルに目盛りが入っているので、どれだけ使ったかを「見える化」できる

記事「万年筆にカッター 2018は文具バージョンアップの年」で紹介した、「サラサマークオン」もバリエーションの一つ。書いた文字の上から蛍光ペンでなぞってもインクがにじまないというゲルインクボールペンだが、にじまないのはすばやく乾くからではなく、紙への固着性と耐水性を高めたインクを使っているからだ。そんなところまで、「書く」というシチュエーションを想定して製品作りをするメーカーに対して、感動すら覚える。

暗いところでも書ける

個人的に2018年に出た筆記具のナンバーワンではないかと考えているほど気に入っているのが、ゼブラの「ライトライト」だ。ペン先が光ることで暗い中でも筆記ができる油性ボールペンなのだ。

ゼブラ「ライトライト」。500円。ペン先が光って、暗いところでも書ける

こういう筆記具は昔からあるにはあったのだが、しかしLED以前の時代は実用的とは言いがたかった。豆電球が使われていたので光も暗く、ペン先というよりはペンの真ん中あたりにライトがついており紙まで光が届かなかった。さらに特殊用途の筆記具だったため、価格も高かった。

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