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パリに専門店、鎌倉でレッスン 花開くBENTO文化

日本のKawaii文化に触発されたシンガポールのシャーリー・ウォンさんはクオリティーの高いキャラ弁をSNSで発信(C)littlemissbento

「弁当はアート」と話すのはLittle Miss Bentoという別名を持つ、シンガポール在住のフードアーティスト、シャーリー・ウォンさん。キャラ弁の技術を超えた、かわいらしい立体的な3D弁当がSNSで絶大な人気を誇っている。

実はシャーリーさん、世界弁当コンテストの優勝者でもある。日本好きが高じ、シンガポール人として初めてJSIA寿司インストクター協会の認定も受けている。「私にとって弁当づくりは、ただ料理を箱に詰めるだけではなく、見て、食べて楽しめるかわいいものであり、アートでもあります。そして家族への愛の証です」と誇らしげだ。

一方、1ページ目に登場した、BENTOをメニューに導入したピエール・エルメ氏が、京都に弁当専門店を営むフランス人がいると聞きつけ、オリジナル弁当箱をコラボ制作したこともあるのが弁当箱販売ショップ「Bento&co」(京都・河原町)。同店を営むBERTRANDの代表トマ・ベルトランさんは、フランスで出版されたレシピ本に弁当が載っていることをきっかけに、京都から海外へ、弁当箱を販売するビジネスで起業した。

「Bento&co」の売れ筋商品のひとつ「こけし弁当」 海外でも受けそうな忍者と着物姿の女の子をデザイン 頭の部分はおわんになっていて味噌汁も飲める

「Bento&co」はパリの街角かと見まごうようなしゃれた店構え。色も形もデザインも多様な弁当箱が店内を埋め尽くす。まず目に入るのがオリジナルの「こけし弁当」。かわいらしい顔が描かれた2段の弁当箱の上には、帽子のようにおわんがのっている。男の子と女の子のほか、まねき猫やスターウォーズのキャラクターをデザインしたものもあって、バリエーションが豊富だ。海外からの要望に応え、ひとまわり大きいサイズのこけし弁当も作ったという。

「2008 年に起業した当時、海外で弁当箱を購入するためには限られた通販サイトを利用するしかありませんでした。でも弁当箱のニーズはあったので、これはビジネスになると思ったのです」とベルトラン氏。最初はフランス語のサイトしか作っていなかったが、現在は日本語と英語でも案内しており、ここ10年間に輸出先は100カ国に広がったという。

鮮やかな着物柄は、布を貼り付ける独特の技術を駆使して仕上げている弁当箱 大容量なので海外でも人気

「海を渡った弁当箱が海外で重宝され始めています。モダンなデザインの松花堂はフランスのホテルやレストランで採用されています。料理の現場では弁当箱は仕切りがあって盛り付けやすく、一方、食事をする側にはフタを開ける楽しみがあります」とベルトラン氏。

毎日の食事にちょっとしたワクワク感や特別感を与える点が魅力なのが弁当箱であると語る。前述のシンガポールのシャーリー・ウォンさんが優勝した世界弁当コンテストも2009年から彼が開催しており、国内外で弁当文化の普及に尽くしている。

パリ、シンガポール、鎌倉…… 世界中でその魅力が注目されている日本の弁当。昔ながらの和食の魅力も、現代のKawaii文化も小さなひと箱に詰め込まれ、日本の食を語るならこれひとつで十分と言えそうな魅力を秘めている。

(GreenCreate)


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