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ジビエラーメン 野生のうまみ凝縮、後味はあっさり

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NIKKEI STYLE

狩猟したイノシシやシカを食肉として提供するジビエ。フランス料理など高級食材としてのイメージが強いが、ここ最近様々な料理で使われるようになりメニューの幅が広がった。そんな中、ジビエの骨や肉でダシを取った「ジビエラーメン」が激戦区のラーメン業界で注目を集めている。あっさりとした後味に加え、多彩なうま味が特徴で人気を集めるラーメン店も増えてきた。

華やかな脂の甘み、繊細な味

東京・八丁堀のラーメン店「麺や七彩」は昨年からジビエを活用したメニューを追加した。2月10日まで期間限定でイノシシの骨や肉を使った「牡丹の江戸甘味噌らーめん」(1500円)を提供する。

注文をすると、一杯ずつ麺を手打ちにしてくれる。作っている姿は客席からも見ることができる。それだけでも楽しい気分だ。スープは甘みの強い江戸合わせ味噌をベースにイノシシの脂と煮汁を加える。おいしい香りが店内に漂う。

「できましたよ」。10分もしないうちに藤井吉彦代表から手渡されたラーメンの見た目に思わず感激した。平打ち麺の上には骨のついたイノシシ肉がゴロゴロ。その上に粉チーズ、ネギ、豚の背脂、トウガラシにコショウが振りかけられている。1500円という値段もうなずけるボリュームだ。

まずはイノシシの肉を一口。見た目のインパクトとは裏腹に味は優しく、口の中でほろほろとほぐれていく。「しょうゆと砂糖などシンプルな味付けで3時間半じっくり煮込んでいます」と藤井代表。記者は肉の脂身特有のブヨブヨした食感が苦手なのだが、イノシシの脂身はプリッとかみ応えがありホルモンのような食感だ。これならいくらでも食べたい。

スープをのむと華やかな脂の甘さに思わず驚いた。後味は意外にもあっさり。野生で育ったイノシシは運動量が多いからだろうか。毛むくじゃらの見た目からは想像ができないほど繊細な味だ。「豚や牛など人間につくられた家畜とは違い個体ごとに、育った環境や食べている餌が違う。そのため複雑なうま味がでるんです」(藤井代表)という。

イノシシの仕入れが少ないため、1日20食限定で販売しており、いつも完売してしまうほどの人気だ。仕入れの関係から提供できない日もある。同店では、日本フードサービス協会が昨年から実施している全国ジビエフェアに合わせてジビエをつかったラーメンメニューを提供している。昨年の夏は鹿を使用した「もみじの担々麺」を販売した。

昨年から通常のレギュラースープにも鹿の骨を使用しダシをとっている。以前は鶏ガラに豚骨などを加えたものだった。東京駅に近く外国人も多い土地柄、宗教上の理由から豚の入ったスープを食べられない客も多かったことから豚骨を鹿骨に切り替えた。イノシシに比べて鹿の方が全国的に利用が少ないため安定的に調達できるという。

 店舗に行かずに気軽にジビエラーメンを食べられないものか。調べてみると愛媛県今治市にある「猪骨ラーメン」が通信販売していた。猪骨(ししこつ)ラーメンは地元愛媛県でとれたイノシシを使い、骨でダシをとりつくったもの。店舗では塩・しょうゆ・味噌の3種類があるが、通販で頼めるのは塩味だけ。地元特産の伯方の塩を使用したスープは「一番イノシシのうまみを引き出してくれる」(店主の吉井涼さん)。

早速注文して自宅で作ってみることにした。価格は2人前で1500円(送料別)。麺とスープが別袋になっており冷凍されて送られてくる。「食べる1日前には冷蔵庫に移してください」(吉井さん)。スープには猪肉で作られたチャーシューとメンマが入っており、具を足さなくても十分だ。せっかくなのでもやしとネギ、半熟卵に吉井さんお薦めのレモンを加えてみた。

白濁したスープは豚骨を思わせるが、一口飲むとかなりあっさり。後から上品なうまみが広がる。獣臭さは全く感じられない。イノシシの骨や瀬戸内海の海産物や食材を8時間以上かけてじっくりと煮込んでいるという。レモンをしぼると爽やかさが加わり、あっという間に一杯平らげてしまった。

骨などジビエ活用拡大に期待

ジビエラーメンが魅力的なのはそのおいしさだけではない。これまで進んでいなかった高級部位以外のジビエ活用拡大につながると業界関係者から熱い視線が注がれている。農作物の鳥獣被害が深刻になり捕獲数が増加しているにもかかわらず食用の利用がなかなか増えないためだ。環境省の調べでは、1978年から2014年の36年間でニホンジカの生息地域は2.5倍、イノシシも1.7倍に広がった。農作物被害は年200億円ほどだ。

ある業界関係者は「捕獲鳥獣は高級料理に使用されるヒレやロースなどを除く約9割が捨てられる。特に骨は焼却が難しく、高温での焼却や埋めたてに多額の費用がかかるため猟師にとっても大きな負担だった」と話す。日本フードサービス協会によると2月10日までの冬の全国ジビエフェアに参加するラーメン店は全国10店舗。うち5店舗が新規でジビエラーメンを提供する。豚骨ラーメンや煮干しラーメンのようにあたりまえにジビエラーメンを目にする未来もそう遠くないのかもしれない。

(渋谷江里子)

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