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景気後退か 米利回り曲線が示す不安感(平山賢一) 東京海上アセットマネジメント執行役員運用本部長

2019/1/29

写真はイメージ=123RF
「利上げを続けてきたFRBは微妙な立場に追い込まれている」

2019年、米連邦準備理事会(FRB)は微妙な立場に追い込まれています。18年に相次いで利上げを実施してきましたが、トランプ米大統領が利上げペースが速すぎるとの不満を表明しているからです。

FRBは18年12月に利上げを実施したものの、市場混乱や景気減速懸念を背景に米長期国債利回り(10年)は3%を割り込み、一時2.5%台まで低下しました。さらに、パウエルFRB議長は19年1月4日の講演で利上げペースを柔軟に見直す考えを示したため、市場の関心事はFRBがいつ利上げを停止するかに移っています。

米長期国債利回りはグローバル金融市場全体に大きな影響を与えます。その動向は大いに注目されるところであり、以下ではトランプ氏が大統領選挙で当選して以降の米長期国債利回りの推移を振り返りつつ、マーケットの先行きを考える手がかりにしたいと思います。

■利回り曲線は金利予想に応じて変化

図は米国債の利回り曲線(イールドカーブ)が時系列でどのように変化してきたかを示したものです。利回り曲線とは償還までの期間が異なる国債の利回りを線でつないだものです。

一般に償還までの期間が長い国債の利回り水準が高くなる傾向があります。図では左から順番に、3カ月、6カ月、1年、2年、5年、10年、30年という具合に償還期間が長くなるにつれ、利回り水準が高くなっているのが確認できます。

私たちが住宅ローンを固定金利で組むときも、期間が長くなるに従って金利水準は高くなります。この住宅ローンの金利水準の基準になっているのが国債利回りなのです。

ところで、この利回り曲線は将来の金利予想に応じて変化します。図の一番下の線グラフは、米大統領選挙前の16年10月の利回り曲線であり、2年債が1%を下回り、10年債でも2%を下回っていました。

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