電気ケトル、鍋として調理OK 温度調節も無段階
注目の新製品をピックアップ、市場性や開発者の声などから、日経トレンディ記者が大胆に「ヒット予報」をする。今回取り上げたのは、鍋としても利用できる電気ケトルだ。
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●予想実売価格/1万1880円(税別)
●容量/1リットル
●消費電力/1200W
●サイズ・重さ/幅28.2×高さ18.3×奥行き18.2cm・約1.8kg
●連続加熱時間/60分
●温度調節機能/40~100℃
●発売日/2019年2月9日
湯沸かしだけでなく、調理用としても使える新発想の「おりょうりケトル ちょいなべ」がシロカから発売される。
鍋と電気ケトルを融合させたコンセプトについて同社は、「本来は非対応だが、従来のケトルでインスタントラーメンを調理してしまう人もいることから、湯沸かしだけではなく調理にも活用できるようにした新発想だ」(シロカ)と商品化の狙いを語る。
最大の特徴は、ケトル部分が平型のため、鍋としても利用できる点だ。沸騰させるだけではなく、40~100℃の間で加熱温度を無段階調節でき、指定した温度で保温も可能だ。これにより、鍋料理やラーメンを作る用途などに使える。沸騰までの時間は通常の電気ケトルと遜色ないスピードだという。
メンテナンスのしやすさも魅力だ。ケトル部分はフッ素加工を施したアルミ製でにおいが付きにくい。ヒーターが台座側に内蔵された分離型のため、丸洗いできる。
利用シーンは幅広く、卓上でのチーズフォンデュや、日本酒の燗(かん)にも使える。ただし、ツマミで温度調整するため、温度管理の精度が高いとは言えない。0.1℃単位でじっくりと火を通す低温調理には向かないだろう。安全上の理由で1時間以上の継続加熱も不可だ。
価格は1万1880円(税別)と保温機能付きケトルよりやや高いが、卓上調理機能を考えれば割安感のある価格設定と言える。
単機能だが家庭の必需品となっている電気ケトルが鍋としても使える、1台2役は画期的。ただし、煮込み調理時の噴きこぼれ対策がなく、低温調理にも非対応など魅力に欠ける面もある。ニッチなニーズを拾えるかがカギ。
[日経トレンディ2019年2月号の記事を再構成]
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