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「手に職」転職 ウェブデザイナー目指したママの決断

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NIKKEI STYLE

世の中には転職によって手に職をつけ、キャリアアップをかなえた女性たちがいます。「一生困らない 女子のための『手に職』図鑑」(光文社刊)の著者、華井由利奈氏が、そんな女性の実体験を紹介します。

  ◇  ◇  ◇

フリーランスのウェブデザイナーに転身した尾関日奈子さんは、育児休暇中に約半年間スクールに通い転職を実現。収入が会社員時代の3倍に増えたそうです。一体どのように独立し、安定した収入を得ているのでしょうか?

【尾関日奈子さんインタビュー】

月収は平均60万円 初期投資分を3カ月で回収

――フリーランスのウェブデザイナーとして、自宅で子育てをしながらウェブサイトのデザインを請け負っている尾関さん。フリーランスというと不安定なイメージがありますが、会社員の頃と比べて収入面はどのように変わりましたか?

尾関日奈子さん(以下、敬称略):会社員時代は毎月の手取りが20万円を切っていましたが、フリーランスのウェブデザイナーになってからは約3倍に上がりました。今年度は二人目の出産前、つわりのため仕事量を調整して収入が減った期間を含めても、平均して60万円程度にはなると思います。

ちなみに、初期投資は70万~80万円でした。育休中に約半年間デジタルハリウッドSTUDIO渋谷(以後、デジハリ)に通った学費と、自宅で仕事をするために買ったパソコン周辺機器代、専用のソフトウエア代です。でも、フリーランスで仕事を始めて3カ月くらいで初期投資分を回収できました。デジハリの卒業生の中には、在学中に元を取る人もいるそうです。

――どういう経緯で、育休中にデジハリに入学したのですか?

尾関:前職は大手コンビニチェーンの社員でした。デジタルマーケティング部に所属し、Twitter、Facebook、Instagram、Google+など、約25媒体の情報配信を一人で担当していました。とはいっても、もともとデジタルに詳しかったわけではないんですよ。もともと、こうしたSNSを活用している人に比べてプライベートでもほとんど触れていなかったし、LINEやTwitterよりもメールを好んで使っていました。

でも、たまたまデジタルマーケティング部への異動が決まり、SNSの担当になって毎日情報を更新しているうちに、本格的にデジタル分野の仕事に関わりたいと思うようになったんです。ちょうどその頃、産休を取ることになったので、休暇中に専門的な勉強をしようと会社の先輩が勧めてくれたデジハリに産後3カ月で入学しました。

――産後3カ月で学校に通うのは、状況的に大変だったのでは?

尾関:デジタルハリウッドSTUDIOには「主婦・ママクラス」というのがあって、オンラインで授業を受けられ、学校も子どもウェルカムなんです。だから息子が寝ている間にパソコンで授業を見て課題に取り組み、課題や作品が10個ほどできたら子連れで教室に行き、トレーナーに指導してもらいました。

――その技術を生かして職場復帰をすることもできたと思うのですが、なぜフリーランスを選んだのですか?

尾関:復帰後、デジタルマーケティング部以外の部署に異動する可能性があったからです。当時デジタル関連の仕事は残業が多く、子育てをしながら働くのは難しいといわれていました。そこで育休から復帰した短時間勤務の社員は、残業の少ない事務系の部署に異動するケースが多かったと聞いていたんです。

でも私は現場でデジタルに触れていたかった。だから、会社を辞めてフリーランスになる道を選びました。社員が自由に生きるのを応援してくれる会社だったからこそ、経験できたことです。しかも、デジハリを勧めてくれた先輩が喜んで背中を押してくれたことが、本当にうれしかったですね。

独立する前にやっておきたい「実力試し」とは

――突然退職してフリーランスになるのは勇気がいるものですよね。収入の見込みはあったのでしょうか?

尾関:ありました。私の収入が会社員時代より少なくなり、家計の負担になってしまうことだけは避けたかったので、デジハリ在学中に実力試しをしたんです。当時は育休中だったので副業は基本的に禁止でしたが、一定の金額を超えなければよしとされていたので、その範囲内で。

デジハリで頂いた仕事の他に、実際に仕事を始めてみると4社から声が掛かりました。さらに学内で行われた企業との交流イベントでは3社の社員と名刺を交換。「自分の市場価値はゼロではない」と実感しました。

――在学中から複数の企業とつながりを持ち、仕事を請け負っていたんですね。現在は二人目のお子さんが生まれて育休中とのことですが、育休中はどうやって仕事をつないだのですか?

尾関:休暇の3~4カ月前に取引先に連絡をして、私の代わりに仕事を引き受けてくれる人をアテンドしました。「もし新しいウェブデザイナーを気に入ったら、仕事の依頼先を替えてもらってもいい」とメールに一言添えて……。

蓋を開けてみたら仕事は1件も減らず。「誰かに仕事を頼んだら減ってしまうかもしれない」という不安を隠さず、思い切って「仕事の依頼先を替えてもいい」と一言添えたのがよかったのかもしれません。

――オープンにすることが成功する秘訣なのかもしれませんね。現在は二人のお子さんを育てながらフリーランスとして働かれているわけですが、毎日忙しいなか、どうやってスケジュールを組んでいるんですか?

尾関:実は、細かく毎日のスケジュールを立てるのはやめたんです。会社員時代は、毎日パズルのように予定を組み合わせてスケジュール帳に書き込み、効率よく回していましたが、子どもが生まれてからそれができなくなりました。子育ては常に予想外の連続です。子どもの昼寝中に集中して制作しようと思っていても、予想が外れて子どもが寝ないとか、出掛けるタイミングでおもらしをするとか。こなせないTO DOが積み上がって、ストレスがたまってしまったんですよね。

だから今は、大まかに二つの予定を組むだけ。一つ目は理想的な目標。二つ目は必ずクリアしたい目標です。理想的な目標はあくまで理想で、できなくても「まあいっか」と思える程度のもの。必達の目標は、必ず間に合わせなければならない納期です。2段構えにすることで気持ちが楽になりました。

――フリーランスという働き方が合う人と合わない人がいると思いますが。

そうですね。合わなくて悩み始めてしまう人もいると思います。会社を辞めてから、と退路を断って意気込むのも一つですが、私のように、試しに受注して仕事をやってみるというのもおすすめです。

実際やり始めてみると、スケジュール管理が難しくて、仕事があふれたり、子どもが急に熱を出したりしたこともあります。そういうときはデジハリ時代の友人や仕事を通して出会ったウェブデザイナー仲間が助けてくれています。

フリーランスといっても、私はたった一人で働いているわけではありません。デジハリ卒業後、デザイナーを中心としたクリエイターたちが集まる30人ほどの制作チームにジョインし、自分でも数人の新しいチームを結成しました。それぞれのスキルを持ち寄ることで、一人だと受けられなかったプロジェクトも受けられるようになり、仕事の幅が広がっています。チームのほとんどが子育て中のママで、住まいも全国バラバラ。基本的にはオンラインでやり取りをしてプロジェクト管理をしています。

信頼できるメンバーとチームを組んでいることは心強いですね。困った時はお互いさま。フリーランスになる前からいろんな人に会っておくと、何かトラブルがあったときに「助けて」と言い合えます。フリーランスになる上でやっておいてよかったことは、人脈を広げて育てること。日々の仕事で必要なソフトの最新情報などノウハウも共有し合い、お互いにいい関係が築けています。

【華井由利奈による職業解説】

出勤時間ゼロ! 自宅でできる「ウェブデザイナー」の仕事

【どんな仕事?】

コンピュータ言語や専門的なソフトなどを使い、ウェブサイトのデザインをする仕事です。お客様の意向を聞き、画像や文字のレイアウトに工夫を凝らし、動画や音声、システムを効果的に使いながら組み立てていきます。

【子育て中の働き方】

企業勤めの場合、会社側が最新のデザインやトレンド、便利なシステムを学ぶ機会を与えてくれることも。しかし子育て中に自宅で仕事ができるように独立すると、自分で学ばなければ知識が増えません。出産前から積極的に情報を収集する癖を付けておきましょう。尾関さんは、デジハリ時代の友人や仕事を通して出会ったウェブデザイナー仲間とチームを組み、日ごろから情報交換をしています。

【向いている人】

デザインを整えるため、ミリ単位でのサイズ調整など細かな作業が多い仕事。一つの作業に没頭し、納得できるまで作り続ける根気と集中力のある人に向いています。

【どうやったらなれるのか】

美大やデザイン専門学校などを卒業し、ウェブ関連のデザイン事務所などに就職した後、ウェブデザイナーとして独立するのが一般的です。しかし尾関さんのようにスクールに通って知識や技術を身に付けたり、パソコン環境とソフトウエアをそろえて独学でデザインを学んだりする人もいます。企業やスクールなどに所属してから独立すると、仕事を紹介してもらえるというメリットがあります。

●【ウェブデザイナーの仕事データ】
◆資格:ウェブデザイン技能士(国家検定)※必須ではありません
◆勤務場所:自宅、デザイン事務所、ウェブ制作会社など
◆勤務時間:不規則
◆休日:不定期
◆勤務形態:正社員、契約社員、派遣社員。フリーも多い
◆給料:フリーは仕事内容によって変わる。社員は月収17万円程度から

※「一生困らない 女子のための『手に職』図鑑」(華井由利奈著・光文社刊)より

(文 華井由利奈、写真 日経ウーマンオンライン編集部)

[nikkei WOMAN Online 2018年11月22日付記事を再構成]

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