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2020年から見える未来

社内から喫煙所が消える日 吸わなければ業績伸びる?

2019/2/1 日本経済新聞 夕刊

加熱式たばこ専用の喫煙室を設けるオフィスビルも(東京都港区の愛宕グリーンヒルズMORIタワー)

たばこを吸わない人に煙たがられ、オフィスから愛煙家の姿は減る一方だ。最近では勤務時間内の仕事の効率を高める働き方改革や、人手不足の中で健康な人材を確保する動きが、社内の全面禁煙に拍車をかけている。顧客や投資家の目も厳しく、仕事中の「ちょっと一服」はますます肩身が狭いようだ。

「禁煙を始めて支店の営業成績が伸びました」。中堅人材サービス、ジェイエイシーリクルートメントの小浜剛・北関東支店長(36)の言葉には勢いがある。

同社は2018年4月から国内外のグループで、社内はもちろんプライベートでも従業員に禁煙を求めるようにした。北関東支店では3分の2を占めた喫煙者が席を外して紫煙をくゆらすことがなくなり、オフィスでの会話が増えた。必然的に営業先の情報交換が密になり、ノウハウも共有されやすい。

一般的に、たばこを吸う人には「喫煙所での何気ない話が仕事のアイデアにつながる」との意見がある。だが自身もたばこをやめた小浜さんは「喫煙所の限られたメンバーで話すより、大人数での会話の方が生産性が上がる」と言い切る。

■喫煙者を採用しない企業も

セイコーエプソンでは18年度に、勤務時間中の喫煙禁止をそれまでの週2日からすべての日に広げた。「人手不足の中で社員には健康で長く働いてほしい」(総務部)というのが狙いだ。昼休みにはたばこを吸える敷地内の喫煙所も、将来はなくしたい考えだ。

今のところ社内の反応は二分されている。直近のアンケートでは、たばこを吸う従業員の3~4割が喫煙所をなくすことを認める一方で「喫煙者をいじめている」と率直な声も上がる。

全面禁煙に不満な従業員もおり、企業はストレス解消に気を配る。ジェイエイシーは月4000円を上限にスポーツジムの費用を補助、セイコーエプソンは休憩時間の運動を呼びかけている。たばこを吸った場合の罰則までは定めていないことが多いようだ。

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